島根県、760万円の債権放棄 石州瓦製造、販売のセラミカ破綻を受け

セラミカの本社だった建物=2014年1月、大田市大森町

 島根県が、経営破綻した石州瓦製造、販売のセラミカ(大田市大森町)に返還を求めていた中小企業高度化資金の債権放棄を決めた。債務者の破産によって、今後の資産回収が見込めないと判断した。放棄する債権額は760万円。

 セラミカに対しては、前身の石州セラミカ協業組合だった1997年に中小企業基盤整備機構と県が協調し、工場建設費などとして計12億7700万円を貸し付けていた。2006年にセラミカに組織変更後、リーマンショックなどの影響で08年ごろから住宅需要が落ち込み、業績が悪化。売り上げが回復することなく、同社は14年1月に民事再生法の適用を申請した。

 県は、貸付金の未償還分について繰り上げ償還命令を出し、工場や山林の売却金などを基に貸付金の一部を回収。その後、23年9月までにセラミカと連帯保証人が破産し、これ以上の回収は難しいとして債権放棄を決めた。

© 山陰中央新報社