【中国】耐久消費財の買い替え促進、数兆元効果も[経済]

中国の王文濤商務相は6日の会見で、2024年を「消費促進年」として、自動車や家電など耐久消費財の買い替えを促す方針を示した。家庭が保有する耐久消費財は膨大な量があり、買い替えによって数兆元(1元=約20.6円)規模の市場を生み出すとみている。

王氏によると、中国の車齢が15年を超える車両は700万台に上り、家電製品は平均して毎年約2億7,000万台が安全に使える使用年数を過ぎているという。

会見に同席した国家発展改革委員会(発改委)の鄭柵潔主任は、中国の自家用車の保有台数が23年末時点で3億3,600万台に達し、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなど主要な白物家電の保有数は30億台を超えると指摘。買い替えによって数兆元規模の市場を生み出す可能性を秘めていると説明した。

王氏はサービス消費の拡大に向けた措置を複数打ち出すことにも触れた。

■巨額の設備更新需要

鄭氏は、工業、農業など重点分野の23年の設備投資が約4兆9,000億元で、設備更新需要も広がり続けていると指摘。設備更新だけで年間5兆元以上の巨大な市場が今後形成されるとの見方を示した。

工業、農業、建設、交通、教育、文化・観光、医療の7分野の設備更新需要は巨大だと強調。工業分野では先端設備の需要が高まり、省エネ化や低炭素化、デジタル化、スマート化の流れが進んでいることも需要拡大につながると指摘した。

1日に開かれた国務院(中央政府)常務会議では、設備更新を促す措置と耐久消費財の買い替え促進策「以旧換新」を大規模に実施することを決定した。投資と消費の拡大を図る。

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