「早く知らせないと!」署までの500メートル猛ダッシュ 道で倒れた男性を中学生ら5人が保護 大田原署が感謝状

感謝状を受け取った志村さん(前列中央)と中学生ら

 【大田原】道に倒れ動けなくなっていた90代男性を保護したとして大田原署は2月29日、大田原中1年生4人と紫塚2丁目、パート従業員女性に感謝状を贈った。中学生の1人は一刻も早く警察に知らせようと、署まで約500メートルを猛ダッシュした。

 中学生はいずれも13歳の藤原獅恩(ふじわらしおん)さん、竹内來夢(たけうちらいむ)さん、印南心奈(いんなみここな)さん、大森里衣(おおもりりい)さん。

 署によると、1月11日午後3時過ぎ、下校中だった4人は紫塚2丁目の市道で、男性を道の端へ移動させようとしている近所の志村智子(しむらともこ)さん(63)に出くわした。志村さんは少し前、男性を発見、話も通じず重くて1人で動かせなかったという。

 寒い日なのに、男性は防寒着を着ず、事故にも遭いかねない状況。「何とかしなくては」と必死だった志村さんは、中学生4人に「大丈夫ですか」と声をかけられ、胸をなで下ろした。

 5人は力を合わせ男性を移動させた。中学生の藤原さんは「早く警察に知らせなくては」と思いながらも「目印が分からず電話では場所をうまく話せない」と、署まで走って警察官を連れてきた。男性は救急搬送された。

 平山信行(ひらやまのぶゆき)署長に「勇気ある行動」とたたえられた5人は「命を守れて良かった」などと語った。

感謝状を受け取った志村さん(左)と中学生たち

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