「怪我したらどうするんだ!」女子アメリカvsカナダ戦を襲った“田んぼピッチ”→試合続行ジャッジにファン激怒!「水球に近い」「なぜ中止しない?」と米メディアも疑問視

まさに“田んぼ状態”だった。アメリカで開催された女子サッカーの大一番が物議を醸している。

現地3月6日、CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)の王者を決める女子ゴールドカップは準決勝が開催され、共に夏のパリ五輪出場を決めているアメリカとカナダがサンディエゴで激突した。試合は1-1から延長戦に突入し、そこでも両者1点ずつを奪い合う白熱の攻防戦に。最後はPK戦を3-1でモノにしたアメリカが、ブラジルが待つファイナルへと駒を進めた。

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記憶に残る熱いバトルが繰り広げられた一戦だが、別の意味でも大きな注目を集めた。折からの豪雨で試合前からピッチはほぼ水没。まるでボールが転がらない劣悪な環境で、カナダのベブ・プリーストマン監督は「プレーが不可能なのは誰の目にも明らかだった。この試合のゲームプランのために私たちは多大な労力を費やしたのに、開始1分ですべてが水の泡になってしまった」と吐き捨てた。カナダは20分に先制点を奪われたが、それはDFからGKへのバックパスで水たまりで止まる不運が生んだものだ。

米大手ネットワーク『ESPN』も「なぜ中止にしなかったのか?」と疑問視する。「素晴らしいゲームとなり、アメリカにとってはこの上ない経験となったが、試合を見守った人びとはヤキモキしていたはずだ。数ヤードおきにボールが止まり、両チームともパスミスの繰り返し。サッカーよりもほとんど水球に近かった。あらゆる戦術が無意味だったのだ」とバッサリ。そのうえで「1万5245の観衆は異様な光景を目の当たりにした。怪我人が出なかったのは幸運だと言うほかない」と評した。

さらに『ESPN』は主催者であるCONCACAFに対して「誰が続行か中止の判断をするのか」を質問。「フィールドが安全でプレー可能なのかどうかは、あくまでも主審の判断に委ねられている」との回答を得た。コメンテイターの現役レフェリーのクリスティーナ・ウンケル氏は「(主審の)彼女は何度か試合中にボールを使ってピッチの状態を確かめていた。決して安全だとは考えていなかったはず。最終的な決定権はレフェリーにあるとしても、現実的に言えば、CONCACAFの試合にはマッチコミッショナーがいる。そちらからの指示があったと考えるのが妥当だ」と論じている。

現在、ウズベキスタンではU-20女子アジアカップが開催されている。その開幕戦の韓国vsオーストラリア戦は大雪に見舞われ、除雪が中途半端なピッチのままに選手たちはプレーを余儀なくされた。『ESPN』は「先日ウズベキスタンでは深さ10センチの大雪で試合が行なわれたばかりだ。先日のMLSのゲームにあっては雪と雷のなかで試合が強行された」と指摘し、「オリンピック本大会が近い。カナダもアメリカも金メダル争いに挑む強豪である。なにをおいても安全なコンディションを念頭に置くことが重要だ」と断じている。

この記事のコメント欄にはファンからの厳しい声が続々。「怪我したらどうするんだ!」「試合が面白かったのは結果論。最低のピッチだった」「まったくバカげた判断だよ」「選手たちが哀れだった」「最後まで戦い抜いた彼女たちに敬意を」など、さまざまな意見が寄せられている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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