雨の日も風の日も怒号にも負けず 児童の登校見守り15年 横浜・磯子の夫婦に感謝状

朝の登校時間に横断歩道で子どもたちの安全を見守る初江さん(磯子署提供)

 横浜市磯子区に毎朝、児童の登校を見守るボランティアの高齢夫婦がいる。市立磯子小学校(同区久木町)周辺で15年近く活動を続ける内山博さん(76)と妻の初江さん(74)だ。安心・安全の確保に加え、児童らと笑顔でコミュニケーションを図るなど地域で欠かせない存在となっている。

 2人は孫の入学をきっかけに、2008年から博さんが校門前、10年から初江さんが国道16号に面する横断歩道前に立ち始めた。

 「学援隊」のジャンパーを着て誘導する2人は児童の話し相手になったり、ハイタッチをしたりするなど交流を深め、地域の見守り活動に貢献してきた。

 過去には車両通行が禁止の時間帯に「急いでるんだから通せ」などと怒号を浴びせられることもあった。それでも、根気強く交通ルールの順守を呼びかけ、地域住民もまた理解し、ここ数年は大きな事故も起きていないという。初江さんは「親や先生に言えないことも含めた相談相手になれる。子どもの健全な成長に少しでも役に立っていたら」と目尻を下げた。

 磯子署と同小は5日、長年の見守り活動をたたえ、内山夫妻に感謝状を贈った。江目(ごうのめ)親利校長は「雨の日も風の日も笑みを絶やさず、子どもたちに愛情を注いでくれてありがたい」と頭を下げる。小林三季(みき)署長も「内山さん夫婦は地域の宝。夫婦が立つ道路を『内山ロード』と呼びたい」と大絶賛した。

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