回転窓/情報発信の姿勢

11月の米大統領選を巡り「もしトラ」と「ほぼトラ」という言葉が話題だ。前者はもしかするとトランプ前大統領が再選するかもしれないという意味。後者は、トランプ氏がほぼ再選するとの見方だ▼本選に向けて民主、共和各党の候補者選びが佳境を迎えている。5日に予備選などが集中する「スーパーチューズデー」が実施された。共和党はトランプ氏が圧勝し、対抗馬だったヘイリー氏が撤退を表明。二つの「トラ」がこれまで以上に注目される▼世界情勢にも大きな影響を与える米大統領選。応援する候補への支持を広げるために、偽画像が拡散されているとの報道も。正しい情報を踏まえて有権者が選択するかも大事な要素となる▼誰でも容易に情報を発信でき、時として大きな影響を及ぼすのが今の時代。便利さと危うさが共存する。国内でも地方銀行で取り付け騒ぎが起こるとの偽情報がX(旧ツイッター)に投稿され、当該銀行が否定する事態が生じた▼情報は正しいからこそ適切な判断を促し、社会に価値をもたらす。メディアを含むすべての情報発信者に、細心の注意と真摯(しんし)な姿勢が求められる。

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