秋田県立大学ら/産学官で森林活用共創拠点形成、竹中工務店や日建設計らも参画

秋田県立大学など秋田県の公立3大学は、県内の豊富な森林資源を産学官で活用するための連携拠点形成プロジェクトを2024年度に本格始動する。科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」の地域共創分野・本格型に採択され、24年度から1年当たり最大2億円(最長10年)の助成を受けられる。自治体や民間会社など21者が参画。技術や人の交流を促しながら木質耐火部材の研究開発など多角的な木材活用や人材育成、産業創出につなげる。
拠点名称は「森の価値変換を通じた、自律した豊かさの実現拠点」。県立大が代表を務め、県、国際教養大学、秋田公立美術大学、Q0(東京都千代田区)、サステナブル経営推進機構、秋田銀行が幹事に就く。大学などの研究教育機関や竹中工務店、日建設計ら産学官の14者が参画機関に名を連ねる。プロジェクト期間は最長10年程度を見込む。
JSTの採択を受け、3大学の代表らは6日に県庁で記者会見した。プロジェクトリーダーを務める県立大木材高度加工研究所の高田克彦教授・所長は「森と空間、木材、まち、技術、人の5分野が連携することで、今までにない価値を創造していく」と展望を語った。
同プロジェクトは22年度にCOI-NEXTの「育成型」に採択。1年当たり2500万円の助成を受けながら、3大学の学生を対象とする森林関連の授業開設や海外でのマーケティング調査などに取り組んできた。1月に開かれたJSTの審査会で「本格型」に昇格した。
今後は民間の資金や技術、人材を取り込みながら、秋田の森林資源に新たな価値を生み出す研究開発を推進する。
COI-NEXTでは、大学などが中心になって未来のあるべき社会像(拠点ビジョン)を策定。実現に向けた研究開発を推進しながら、持続的に成果を創出する自立した産学官共創拠点の形成を目指す。

© 日刊建設工業新聞社