堺市は、４日に一般競争入札を行った「中百舌鳥駅前広場の活性化に係る事業者募集要項等作成及び公募選定支援業務」の落札者を野村証券に決めた。南海電気鉄道・泉北高速鉄道中百舌鳥駅と大阪メトロなかもず駅の駅前北側交通広場（北区中百舌鳥町２）に商業・業務・交流機能を備え、乗継改善にも役立つ新施設の整備・管理運営事業者を選ぶ公募型プロポーザルを２０２５年３月ごろ公告する予定で、これに先立ち同業務を委託した。業務期間は２６年３月３１日まで。
募集要項作成業務で、ＰＰＰ、ＰＦＩなどの事業基本スキームや費用分担、物件概要、提案内容（整備計画、運営計画の条件整理など）、用地貸し付け基本条件、事業者選定スケジュール、提案審査方法などを検討。事業者公募・選定支援業務で、募集要項に関する質疑回答と事業者選定委員会開催・運営を支援する。
同駅前広場の面積は７１００平方メートルで、地下自転車駐車場（３１００平方メートル）がある。駅前広場に乗り入れている交通手段を最適化し、広場の機能を再配分することで、人に重点を置くエリアとする計画だ。新施設の整備・管理運営事業者はプロポーザル公告後、１年程度かけて選定する。
同駅周辺は、産業支援施設が集積、未利用地もあり、大阪公立大学中百舌鳥キャンパスに近い。エリアのポテンシャルに見合った活用に向けた取り組みが始まっている。堺市ら産学官で組織するコンソーシアム「ＮＡＫＡＭＯＺＵイノベーションコア創出コンソーシアム」は、新技術や新ビジネスを創出する拠点の形成を検討してきた。
同市は２月、堺商工会議所や堺市産業振興センターなどが集積する北部エリアと、駅前広場エリア、二つのエリアの間にある市街地で構成する区域１０ヘクタールの方向を示す「中百舌鳥駅周辺活性化基本方針案」を策定。４０年ごろを展望しつつ今後約１０年の取り組みをまとめ、同駅前広場の新施設も位置付けた。
