国交省/群マネで事業者間連携も、計画策定・業務実施の在り方検討

国土交通省は「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」の具体的な展開に向け、各地域の計画策定や業務・工事実施の支援に当たっての考え方をまとめた。当面の目標として財源や人員にとぼしい市町村を念頭に、各地域が抱える課題を踏まえ「広域連携」「多分野連携」を計画として設定。既存の入札契約方式にとらわれず最適な方式で業務・工事発注に取り組む。土木以外の異業種を含めた民間事業者間の連携促進、官民双方の技術者など群マネを支える技術的体制や人材育成の在り方も検討課題となりそうだ。
2023年12月にモデル地域11件(計40地方自治体)を選定し支援に着手したことを踏まえ、群マネの「計画策定手法検討会」(座長・家田仁政策研究大学院大学特別教授)を7日開き、各地域の計画づくりに当たっての助言を有識者らに求めた。
群マネの考え方を改めて共有する目的で全体イメージ=図参照=を提示。有識者からは「群として地域で束になるのは何も自治体だけではない」との指摘があり、例えば建設会社とコンサルがグループを組むなど事業者側の連携によるビジネスチャンスの創出、自治体間や事業者側との担い手の連携による技術力の向上といった効果に目を向けるべきとの意見があった。自治体内で企画・政策を担う部門も含めた部局間連携や、住民参加の枠組みづくりを求める声もあった。
もう一方の有識者会議となる「実施手法検討会」とともに、計画策定や業務・工事実施で検討が必要な事項を整理し、障壁となる制度などの課題解決への議論を今後進める方針。計画策定段階では広域・多分野連携時の施設管理の責任の所在、所有との分離に伴う課題などへの対応を想定。実施段階では受発注者間の契約や責任分担の在り方、事業者側のグループ組成のパターン化、モデル地域の業務の束ね方と効果の試算などで助言をもらう。
特に市町村は財政事情や発注体制に差があり、広域連携時の合意形成や相互理解にサポートが必要と訴える有識者もいた。実施手法検討会では4月以降、モデル地域の現地視察会や民間事業者のヒアリングを予定。今後1、2年を目安にモデル地域の支援に当たりながら両検討会で議論を深め、群マネ検討の手引きや事例集、制度などの課題の解決方策をまとめる方向だ。

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