東京都/辰沼町アパート(足立区)建替、単身高齢者の7割が新たな間取りを希望

建て替えに向けた準備が進む都営辰沼町アパート(東京都足立区)を巡り、東京都が単身高齢者を対象に改築後の希望する間取りをアンケートしたところ、約7割が新たな間取りである2Kを望んでいることが分かった。都営住宅の単身者用の間取りは従来1DK。都は単身高齢者の介護者用などとして、現行のD(ダイニング)の部分に居室を設ける方針だ。
辰沼町アパートの所在地は辰沼1の2ほか。東京メトロ北綾瀬駅から北に1キロの場所に立つ。築50年が経過し、建物や設備が老朽化している。既存の14棟(646戸)を解体し、同じ場所にRC造9棟(630戸)を建設する。
新たな住棟などの基本設計はエーシーエ設計が担当している。6月に完了する予定だ。実施設計や施工の時期は未定で、新たな住棟を建てる工事は5期に分ける。
アンケートは1期と2期工事の対象となる単身者世帯に、2023年7月に実施した。2Kの間取りを希望する理由として、「介護者のため」「居間と寝室を別にするため」「親族を泊めるため」「荷物が多いため」などの回答があったという。3~5期に工事する住民にアンケートを行うかは未定だ。
近年介護ニーズが増加する中、1DKだと介護に来た親族が寝泊まりする部屋がなかった。ダイニングに泊まらざるを得ないケースもあったという。
1DKには一人親世帯が入居している事例もある。間取り変更で創出した居室を、子ども部屋などとして活用してもらうことも想定している。2Kにする場合、部屋全体の面積(現行35平方メートル)は少し広くなる可能性もある。
他の団地での新たな間取りの導入は未定だ。

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