3月の茨城県内景気、引き下げ 2年ぶり 自動車出荷停止響く 日銀水戸 

日銀水戸事務所は7日に発表した3月の金融経済概況で、茨城県内景気について「ペースを鈍化させつつも、緩やかな回復を続けている」とし、総括判断を引き下げた。引き下げは2022年3月以来2年ぶり。百貨店・スーパー販売額の増加幅が少なくなり、乗用車販売で一部自動車メーカーの出荷停止も響いた。

個人消費では、百貨店・スーパー(1月)の販売額が10カ月ぶりに、乗用車新車登録台数(2月)が2カ月連続で、それぞれ前年を下回った。

一方、宿泊・飲食サービスは人の流れが戻り、緩やかに増えた。

家電販売は、物価上昇を背景とした消費者の生活防衛意識から弱含んでいる。宿泊・飲食サービスや旅行の売上高は緩やかに増えた。住宅投資は3カ月ぶりに前年を上回ったものの、基調としては弱い動き。

上野淳所長は、今後注視する点について物価・賃金の動向を挙げ、「賃金と物価とがバランスよく上昇する好循環に向けて、今年の春季労使交渉などではっきりとした賃上げが続くかに注目したい。先行きの消費を占う上でも重要」と述べた。

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