「ウガンダの貧困に目を向けて」京都・南丹出身の元青年海外協力隊員が授業

画面越しにウガンダの生徒から日本語のあいさつがあり、拍手する中川さん(左)と園部高校付属中の生徒=南丹市園部町

 京都府南丹市出身の元青年海外協力隊員が、園部高校付属中学校(南丹市園部町)で赴任地だったウガンダの現状について授業で話した。同国で貧困にあえぐストリートチルドレンについて説明し、生徒たちに「同じ年齢の子どもたちが苦しんでいる現状に関心を持ってほしい」と訴えた。

 殿田中学校を卒業した元隊員の中川陽平さん(29)は、子どもの時にインドネシアを訪れ、路上で物乞いをする子の姿に衝撃を受けた。同隊ではウガンダで2年間保健体育を教えた。

 授業は2月27日にあり、3年生36人にスライドを交えて同国の食べ物や文化について説明。現地の学校には、給食代や教科書代を払えず辞めざるを得なかったり、仕事をしながら通学するため3、4時間しか寝なかったりする生徒がいることを話した。

 現地の学校とオンラインでつなぎ、園部高校付属中学校の生徒が現地語で「エヤラマ(ありがとう)」と話しかけると、画面越しにウガンダの生徒から日本語の「ありがとう」が返ってきて、教室は拍手に包まれた。生徒会長の松宮新太郎さん(15)は「同い年の子どもが寝る時間を削って働いていることに驚いた」と日本との違いを実感していた。

 中川さんは現在、日本で会社勤めをしながら、ウガンダのストリートチルドレンの支援の方法を探っている。「みなさんが将来に少しでもウガンダのことを思い出して、自分たちができる支援の在り方を考えてくれたらうれしい」と訴えた。

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