焚き火の正しい手順知ってる?準備から片付けまで徹底解説!

キャンプといえば焚き火がもはや当たり前になってきた。
しかし、初心者はもちろん、ある程度慣れている人でも、自分のやり方でいいのか自信がない人もいるはず。
そこで、改めて焚き火のやり方を準備から後片づけまで徹底解説してみた。
これで初心者を脱出して欲しい!

準備〜着火編

①焚き火台を組み立てる

キャンプ場の多くが、地面に直接薪を置いて火をくべる“直火”が禁止されている。
とくに草地は草が焦げて剝げてしまうので、地面に熱が届かない高さの焚き火台を用意。
さらに焚き火シートを敷くのも最近のマナーとなっている。

②広葉樹と針葉樹の薪を用意

キャンプ場やホームセンターで販売されている薪は、広葉樹と針葉樹に分類されている。
広葉樹は火持ちがよく、針葉樹は火付きがいいので、両方あるとスムーズに焚き火ができるはず。
針葉樹1束、広葉樹2束を手に入れた。

③少し風が出始めたので風上に風防幕をセット

そよ風程度だけれど、風があるので火の粉が隣のテントに飛ばないよう風防幕を立てた。
ちなみに、なんとか焚き火ができる目安は風速3m/s程度(葉っぱや枝が揺れるくらい)まで。
風が強くなったら残念だがすみやかに消火しよう。

④針葉樹の薪を割って焚付を作る

太い薪をそのまま燃やすことはできないが、細くすれば燃えやすい。
小枝があまり落ちていないので、薪を細く割って焚付の準備にとりかかった。
広葉樹の薪は堅いので、針葉樹の薪をひたすら割り続ける。
薪割りという日常にはない作業が新鮮。

⑤細い木っ端はへし折る

小さめの焚き火台なので薪を割った焚付が少しはみ出てしまう。
焚き火台の外にこぼれ落ちないよう、石に立てかけ、ブーツで踏んでへし折って長さを調節しておいた。
ストレス解消にちょうどいい!?

⑥牛乳パックと薪からむしった樹皮、木っ端を集めて着火

焚付を焚き火台に盛ったら、いよいよ着火!
気温が高く、焚付もたっぷりあるので着火剤がなくてもよさそうだが、そうはいっても失敗したくない。
牛乳パックをちぎって焚付に仕込むことですばやく焚付の熾作りに成功した。

焚き火中の作業編

①熾火にならないように注意!

焚付はあまりいじりすぎるのもよくないが、油断していたら、せっかくの火が弱くなりかけていた。
慌てて焚付を追加し、なんとか回復。無事細い薪に火が移ってくれた。

②広葉樹の太い薪を投入

細い薪で熾ができたら、次はもう少し太い薪を投入していく。
徐々に熱が上がり、太い薪の表面が白っぽくなってきた。ここまできたらもう安心。
楽しい焚き火時間のはじまりだ。

③太すぎる薪を切ったり割ったり……

焚き火台が小さめで、市販の薪がそのまますっぽり入らない。
時間を見つけては焚き火台に乗り切らない太い薪を割り、長さも調整するも、量が多いと結構面倒。

④料理に備えてトライポッドを作ってみる

焚き火の熱は料理に利用できる。
ゴトクがあれば鍋を載せられるが、小さな焚き火台ではふたつの鍋を同時にかけたとき、火力調整をしづらい。
そこでトライポッドを作ってこの問題を解消することにした。

⑤肉を焼いて食後はウイスキーのお湯割りでまったり

食事は焚き火で肉を焼くだけ。たったそれだけなのにおいしく感じるから不思議だ。
ケトルを火にかけて、いつもお湯を用意しておけば、すぐにお湯割りを楽しめる。
焚き火を活用すれば、キャンプが快適になるって本当だ。

焚き火の終わり方編

①薪を燃やし尽くして焚き火終了

薪を燃やし尽くし、全部灰にして終了するのがスマートだ。
途中で焚き火をやめる場合は、薪同士を離すようにすれば立ち消えしやすい。
とはいえ熱をもっていると再び燃え立つので、密閉できる缶に入れれば確実に消火できる。

②焚き火終わりを目指すも、小さな木片はまだ熱い

消えたと思っても空気を送ると再び炎がたつ。
小さな木片になっても油断禁物だ。待てない場合はバケツの水に1本ずつ浸けて消火。

③小さくなって冷えた燃えカスと灰

火床から落ちるほど小さくなり、手で触れても冷たくなった燃えカス。
こうなれば焚き火台を放置して眠っても大丈夫。

④所定の灰捨て場に捨てて、水をかけて焚き火終了

キャンプ場の灰捨て場に燃えカスと灰を捨てて終了。
そばに汲み置いたバケツの水があれば、念のために水をかけてもいい。

【番外編】次回の焚き火に備えてチャークロスを作ってみよう

焚き火が安定したので、着火剤代わりになるチャークロスを作ってみた。
密閉できる缶にぎっちり不要な布を丸めて入れ、フタをしたら釘でひとつ穴をあけて焚き火に載せて待つ。

冷ましてから缶を開いたら完成!

缶の穴から白い煙が出なくなったら缶を火から下ろし、穴に釘をさして十分冷ます。
缶を開ければ、中にはたっぷりの炭化した布、チャークロスができていた!

TEXT/大森弘恵
PHOTO/逢坂 聡
出典/ガルヴィ2021年6月号

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