米NYCBが1カ月で7%の預金流出、今年2回目の減配も発表

Manya Saini

[7日 ロイター] - 米地銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)は7日、預金残高が5日時点で772億ドルと、1カ月前の830億ドルから7%減少したと明らかにした。また1月に0.05ドルに引き下げていた四半期配当額を、さらに0.01ドルまで減らすと発表した。

NYCBは前日、トランプ前政権で財務長官を務めたスティーブン・ムニューシン氏が率いる投資会社などを引受先として10億ドル強の増資を実施するとともに、ムニューシン氏を取締役に起用し、新たな最高経営責任者(CEO)には元通貨監督庁(OCC)長官のジョセフ・オッティング氏を指名したと表明したばかり。

パイパー・サンドラーのアナリストチームは「増資と銀行業界の大物が取締役会に加わることは、預金者と投資家に安心感を与えるはずだ」と述べた。

しかし預金減少と減配の発表を受け、朝方の時間外取引で株価が反落し、同行の先行きに対する市場の懸念が根強いことが示された。

実際少なくとも証券会社3社は、増資発表後にNYCBの目標株価を引き下げている。

ウェドブッシュのアナリストチームは「増資はNYCBにとって待望された命綱を提供したが、普通株を大幅に希薄化させる」と指摘した。

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