1月国際収支、4382億円黒字 資源高和らぎ、貿易赤字縮小

経常収支の推移

 財務省が8日発表した1月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は4382億円の黒字だった。黒字は12カ月連続。前年同月は2兆136億円の赤字だったが、資源高が和らいで輸入が減り、輸出から輸入を差し引いた貿易収支の赤字が縮小したことなどが寄与した。

 輸出は前年同月比7.6%増の7兆3403億円、輸入は12.1%減の8兆7830億円。この結果、貿易収支の赤字は1兆4427億円となり、54.5%減った。自動車や半導体製造装置の輸出が増え、石炭や液化天然ガス(LNG)の輸入が減った。

 訪日客が大幅に増えたため、旅行者のお金の出入りを示す旅行収支は、比較可能な1996年以降で過去最大の4159億円の黒字だった。旅行や貨物輸送を含むサービス収支は5211億円の赤字だったが、前年同月と比べて縮小した。

 海外投資に伴う利子や配当のやりとりの動向を示す第1次所得収支は2兆8516億円の黒字で、比較可能な85年以降で1月としては最大だった。海外の金利上昇が要因となった。

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