大波3兄弟(福島市出身)最終調整 大相撲春場所、10日初日 震災から丸13年…活躍し古里に元気を

春場所に向けて調整する若元春

 大相撲春場所(10日初日・エディオンアリーナ大阪)を前に、福島市出身の「大波3兄弟」次男の関脇若元春(30)=本名・大波港=、三男の十両若隆景(29)=本名・大波渥=、長男の幕下若隆元(32)=本名・大波渡=は7日、堺市の荒汐部屋で最終調整に臨んだ。場所2日目の11日に東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から丸13年となる。3人は「土俵で活躍する姿を見せて古里を元気づけたい」と闘志を燃やす。

 所属力士が申し合いをこなす中、部屋頭の若元春は、てっぽうなど基礎運動で体を温めた。横綱照ノ富士や大関陣との稽古が続いたため、荒汐親方(元幕内蒼国来)と相談して軽めのメニューにとどめた。

 大関候補と期待されながら昨年11月の九州場所で負け越して平幕に陥落。「空回りして自分を見失った」という。初場所では重圧から解放され「本来の相撲が戻った」。照ノ富士や新大関琴ノ若に土をつけ、関脇復帰を果たした。

 震災発生時、学法福島高生で、若隆元が先に所属していた荒汐部屋に身を寄せた時期がある。若元春は「今の自分があるのは古里のおかげ。見た人に勇気を与える相撲を取る」と言葉に力を込めた。

 兄と弟も思いは同じだ。若隆景はこの日、6番全勝で、充実ぶりをアピール。2年前は初の幕内優勝、昨年は右膝に大けがを負った春場所。今年は関取に復帰した。「コンディションはいい。あとは気持ちをつくっていくだけ」と照準を定める。若隆元も「地元に喜んでもらえる結果を残したい」と表情を引き締めた。

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