「アイランドナガサキ」ガス発電機設置 災害時の電力確保、宿泊者や住民に提供 

発電機について説明する伊地知社長=長崎市伊王島町1丁目

 災害時の電力確保に向けて、KPGホテル&リゾートは、運営する長崎県長崎市伊王島町1丁目のリゾート施設「アイランドナガサキ」にLPガスの燃料を備蓄する「災害用ガスバルク」やガス発電機を設置した。商用電力の供給が途絶えた場合も最大3日間、施設の空調機や厨房(ちゅうぼう)冷蔵庫などへの電力供給が可能となる。
 同社と市は昨年6月、災害時に同施設を避難所として開放し、宿泊者や地域住民にトイレや水道水、電源を提供したり、平時に防災関連の情報交換をしたりすることで連携する協定を締結している。発電機の設置はこの協定の一環。同社が国の補助金を活用して購入した。
 7日朝、発電機などの稼働検証式があり、地元自治会や関係者らが出席。災害による停電を想定して、発電機稼働から電気復旧までの流れを確認した。電力供給システムを構築したシーエープラント(京都市)の伊地知祐吉社長は「停電すると瞬時に発電機が起動し、約10秒後に電力を創出。1分以内に施設内の重要施設に電力が供給される」と説明した。
 KPGホテル&リゾートの田中正男社長は、同町に2011年に架かった伊王島大橋に触れ「台風接近時などは交通規制により、地域住民約600人が孤立する。災害はいつ起こるかわからない。住民や宿泊者の安全確保を最優先にしたい」と話した。

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