ドコモが腕時計型「キッズケータイ コンパクト」発表。GPS端末との違いは?据え置き型の見守り端末「ちかく」も(石野純也)

ドコモが腕時計型「キッズケータイ コンパクト」発表。GPS端末との違いは?据え置き型の見守り端末「ちかく」も(石野純也)

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3月8日ドコモは、同社オリジナルモデルを2機種発表しました。と言ってもどちらも一般的なスマホではなく、ターゲット層を絞ったスマートウォッチ型のキッズケータイと、据え置き型の見守り端末。

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前者は「キッズケータイ コンパクト」。後者は「ちかく」という名称で、2機種とも、スマホと比べても一風変わった形態をしています。

▲ドコモが発表したオリジナル端末2機種。右がキッズケータイ コンパクトで左がちかく

まず前者のキッズケータイ コンパクトは、あくまで「キッズケータイ」の進化形という位置づけの端末。

バンドをつけると腕に装着することができる点はスマートウォッチ的ですが、ほかにも、ケースに入れて首からぶら下げたり、ランドセルに装着したりといった使い方が想定されています。

▲スマートウォッチのように腕に装着するだけでなく、首からぶら下げたり、ランドセルにつけたりする使い方も想定されている

Apple Watchも「ファミリー共有」を使えば単体での利用が可能になりますが、この場合、腕に装着していないと自動でロックがかかってしまい、バンドなしでの利用はあまり想定されていません。

キッズケータイ コンパクトは、あくまで携帯電話の延長線上にある端末という位置づけなのがApple Watchとの違いと言えるでしょう。名称がキッズケータイなのも、そのためです。

できることはほぼほぼキッズケータイに近く、あらかじめ設定した人への電話や「+メッセージ」に対応。GPSも搭載しており、「イマドコサーチ」を契約していれば、親側のスマホから子どもの位置情報を検索することができます。

カレンダーやアラームといった、ケータイ的な機能も一通り網羅。スマートウォッチ的にも利用できるため、心拍センサーもあり、心拍数の計測もできます。子どもが自分で測るシチュエーションがあまり想像できませんが(笑)。

▲音声通話や+メッセージに対応。文字入力は音声だけでなく、キーボードでもできる
▲背面には心拍センサーも搭載

電話やメッセージはできますが、サイズ感として、見守り用のGPS端末に近くなっています。実はドコモのラインナップにはこうした端末がなく、幼稚園から小学校低学年の子供を持つ親は、他キャリアや回線と一体になったメーカー製端末を選択せざるをえませんでした。

筆者も、本当はメインのドコモ回線に紐づけて契約したかったのですが、選択肢がなかったため、子どもにはソフトバンク傘下の+Styleが販売する「まもサーチ」を持たせています。

ドコモにとって、キッズケータイ コンパクトはそのラインナップの穴を埋めるような意味合いもあるといいます。ただし、こちらはあくまで見守り用GPS端末ではなくケータイという位置づけ。

数週間バッテリーが持つGPS端末とは異なり、日々の充電は必要になります。料金に関しては、イマドコサーチがなければ月額550円で利用でき、GPS端末と同水準なものの、位置情報を検索できなければ価値が半減してしまいます。位置検索を合わせると月額770円となり、GPS端末よりやや維持費は上がってしまいます。

▲イマドコサーチに対応。ただし、利用には月額220円の追加料金がかかる

また、GPS端末はジオフェンスのような機能を備えているのが一般的ですが、キッズケータイ コンパクトには同種の機能がなく、親側が手動で位置を検索する必要があります。

頻繁にGPSを使っているとバッテリーの消耗が激しくなってしまうためで、この点は見守り用のGPS端末に優位性があります。

一方で、GPS端末は何かあっても親が現地に駆けつけるぐらいしか手がなく、ヤキモキしてしまうのも事実。GPSの測位もリアルタイムというわけではないため、街ではぐれてしまったときなどには使いづらい側面があります。

一長一短といったところではあるものの、コンパクトなケータイとしてランドセルにつけておくにはいい端末と言えるでしょう。キッズケータイや見守り用GPS端末を探していた人は、検討してもいいかもしれません。発売は夏ごろを予定しています。

もう1つのちかくは、「まごチャンネル」でおなじみのチカク社と開発した端末。高齢の親御さんをうっすら見守りつつ、テレビを通じて大画面でビデオ通話もできるデバイスです。

モバイルネットワークを使用していますが、これはあくまで接続を簡単にするためのもの。用途は大きく異なりますが、home 5Gなどの据え置き型ルーターとモバイルであることの役割は近いと言えるかもしれません。

▲リモコン操作が可能な据え置き型端末のちかく

テレビに接続し、操作もリモコンでできて簡単。また、ビデオ通話には専用のアプリを使用し、紐づけたスマホとしかコミュニケーションを取ることができません。

一般的な電話番号を用いた通話には非対応のため、親側に迷惑電話や詐欺電話がかかってくる心配はありません。

▲テレビを使ってビデオ通話が可能
▲スマホ側は専用アプリを使用する。撮った写真を親に見せるといった使い方もできる

また、カメラを用いて居室しているかを通知することができます。映像をそのまま送るわけではなく、センシングしているだけで、親のプライバシーにも配慮しています。

単なるネットワークカメラだと、監視されている感が強くなりすぎてしまい、親にとっても抵抗感があります。ちかくは、こうした感覚を払しょくしつつ、家に置いてもらいやすくするためのデバイスと言えます。

家の形をしたデザインもかわいらしく、テレビの横に置いておきたくなります。利用にはサービスもセットになった専用の料金プランへの加入が必要。

月額料金は1980円で、スマホよりはやや安めといったところ。irumoより割高なのは気になるところですが、サービスとセットと考えると妥当な水準かもしれません。発売は4月中旬以降を予定しています。

こうしたオリジナルモデルを回線やサービス、料金プランとセットにして作れるのは、キャリアの強み。スマホ時代に入り、オリジナル端末の数は減ってしまっているなか、ドコモらしさが発揮できている2機種と言えそうです。

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