鹿児島県さつま町で防衛省が検討する弾薬庫整備に伴う適地調査の説明会が開かれた7日、地元薩摩地区の住民約2600人のうち1割余りが会場に駆け付けた。参加者からは「今日だけでは実感がつかめない」として、今後も丁寧な説明を求める声が相次いだ。
中立の立場で話を聞いたという農家の男性(40)は「防衛省は安全性を強調するが、場所も規模も分からず現時点で判断できない。町長は安心感を得られたと発言したが、それはどうかと思う」と疑問を呈した。
同町中津川の男性(78)は「不安は払しょくされず、反対の思いが強い。初耳だった町による誘致活動の実態と合わせ、町民全体を対象にした説明会も開くべきだ」と訴えた。
会場からは、調査に伴い周辺道路の整備を求める声も上がった。同町永野の女性(76)は「現時点で説明できることは話してくれたと思う。過疎化が進む中、一番気になるのは施設整備が地域の活性化にどこまでつながるか。今後に期待したい」と話した。