花粉症対策グッズ幅広く 薬、カーテン、空気清浄器、眼鏡… 飛散ピーク到来で群馬県内小売店

花粉の症状を抑える薬やマスクが並ぶ特設コーナー=マルエドラッグ大胡店

 スギ花粉の飛散がピークを迎え、群馬県内小売店が対策グッズの販売に力を入れている。症状に苦しむ人に欠かせない薬やマスクに加え、家電やインテリア用品など対策品の幅を広げる。飛散状況に応じて値引きするサービスを取り入れるなど、各社が花粉シーズンを商機と捉え、消費者ニーズを取り込む。

 クスリのマルエ(前橋市)は、1月中旬から特設コーナーをマルエドラッグ全店で展開する。同市の大胡店は入り口近くに売り場を設け、症状を抑える飲み薬や目薬などをそろえる。同社商品統括本部の吉沢直樹さんは、飛散量が多かった昨年に比べて花粉症関連商品全体の売り上げは伸び悩むが、「昨年に比べてマスクをする人が減った分、薬を買い求める人は増えている印象」と分析する。

 花粉が家に入るのを防ぐためのインテリア用品や家電が注目されている。ホームセンターのカインズ(埼玉県)は、花粉やホコリを捕らえるカーテン(2380円)やメガネの曇りを抑えるマスク(698円、30枚)などが売れ筋という。特に折り畳み式のラックなど室内干し関連は、直近1月で例年より売り上げを3割以上伸ばしている。

 家電量販店のヤマダデンキ(高崎市)は、花粉症と感染症の対策で定番の空気清浄器の売り場を充実させる。四角い大型で白色や黒色の見た目が一般的だったが、最近は円柱状や色が選べるなどデザイン性のある商品も並べる。コートなどの花粉を落とす衣類乾燥機もある。

 眼鏡チェーン店「JINS」を展開するジンズ(前橋市)は、花粉を高確率でカットする「JINS PROTECT」シリーズをリニューアルした。レンズと額の隙間を減らして花粉の侵入を防ぐ設計で、目の保湿機能や子ども用もある。9~11日にマルエドラッグ中之条店(中之条町)に出店する移動販売車「JINS GO」では、前日の花粉飛散量が多いほど割安になる「飛散価格」で販売する。

 気象情報会社のウェザーニューズ(千葉市)によると、県内の今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は平年並みで、本格的な飛散は4月中旬まで続くとみられる。担当者は「晴れて気温15度程度や風の強い日は飛散が多い。マスクや眼鏡を着けたり、家に入る前に花粉を落としたりといった対策が欠かせない」と注意を呼びかけている。

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