サイコパス傾向の特徴は無責任/浅はかな感情/共感性の欠如/罪悪感の欠如/不正直で不誠実。その犯罪の特徴は⁉【図解 犯罪心理学】

サイコパス傾向と犯罪

近年よく聞かれる言葉に、「サイコパス」があります。サイコパス傾向も、犯罪を犯しやすいとされる性格特性のひとつです。

サイコパス傾向は、極度の自己中心性と衝動性を持った人格障害の一種です。ただし、精神病的な症状は見られません。特徴としては、無責任、浅はかな感情、共感性の欠如、罪悪感の欠如、不正直で不誠実などが挙げられます。

彼らが犯罪を犯してしまう背景には、他人のことを顧みることなく自分の欲求を実現しようとする、自分勝手な考え方があります。また、非情で他人を自分の道具のように扱うという特徴も見られます。

一般的には非道徳的な性格ですが、自信を持った行動や饒舌な態度から、表面的には魅力的に見えることもあります。

サイコパス傾向の人は、殺人を犯すこともありますが、その犯行にも特徴があります。彼らは、怒りなどによる衝動的な犯罪は少なく、殺人を手段として用いて何かを行う、道具的な犯罪が多いのです。

サイコパス傾向は、悪の人格のように思われますが、つねに冷静でリスキーな行動をいとわないことから、勇敢な消防士やイノベーター、救急救命医などとして活躍している人も少なくありません。

出典:『図解 眠れなくなるほど面白い 犯罪心理学』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』
監修:越智啓太

昨今、様々な事件や特殊詐欺など凶悪な犯罪が増えており、ニュースで犯罪に関する情報を聞かない日はないといえます。誰もが利用するSNSを介した犯罪も当たり前になっており、より巧妙化しながら身近に潜む問題にもなっています。こうした問題や実態について研究し、犯罪予防や再犯防止に役立てようとするのが『犯罪心理学』です。
犯罪心理学は、心理学の中でも実際の現場や実践に役立つことを目的とした“応用心理学”の1つで、特に犯罪行動・非行や犯罪者の心理・行動パターンに焦点を当てた研究分野です。専門書や教科書が多いジャンルですが、本書では図やイラストを用いて、1トピックを見開き1ページでわかりやすく解説。
“普通の人”が犯罪に手を出してしまう経緯、犯行内容から見える犯人像や周囲の環境、巧妙化する手口や防犯法など、知らなかった犯罪心理学を、楽しみながらもしっかりと学べる一冊です。

© 株式会社日本文芸社