交差点での衝突事故…信号無視をしていたのはどっち? 交通事故鑑定人が“ウソ証言”を見破った決定的証拠とは

お笑いコンビ・タイムマシーン3号の関太と山本浩司、モデルで俳優の柳美稀が3月7日放送の『THE突破ファイル』の再現VTRに出演。交差点での衝突事故で過失を免れるためのウソ証言を、状況証拠から見事に見破った。

交通事故の状況を調査し、原因を正確に判断する交通事故鑑定人の関の元に入ってきた今回の依頼は、交差点で発生した衝突事故。現場は一方がカーブした交差点。青信号だったため依頼人のミニバンがカーブを抜けて侵入しようとすると、左前方から侵入しようとするセダンを発見。急ブレーキを踏むも間に合わず、車は衝突してしまった。本来ならセダン側の過失となるところだが、依頼人を連れてきた弁護士の山本は「これが厄介なことになってまして…」と続ける。実はセダンの運転手も「青信号を確認して交差点に入った」と主張しており、依頼人の主張と真っ向から対立。どちらかがウソをついているということになる。セダン運転手の主張を採用した保険会社は多額の損害賠償を請求してきており、真実を証明するために訪ねてきたのだ。

関は早速現場検証を行い、路面に残されていたブレーキ痕からスピード違反ではないと推測。さらに事故当時の写真を見て違和感を覚えた関は助手の柳に写真の詳細な鑑定を依頼した。
続いて関はセダン運転手を訪ね、事故当時の状況を聞く。交差点の近くに看板が設置されていたためミニバンが入ってくる方向が見えづらく、ミニバンが看板を抜けたところで交差点に入ってくるのに気づき急ブレーキをかけたという。セダンの速度は時速40kmだったという運転手の証言と、車のタイヤに急ブレーキの痕跡である「フラットスポット」が残っているのを確認した関は「大きな収穫がありました」とうなずきながら再び事故現場へと向かった。

※フラットスポットとは、急ブレーキでタイヤがロックした際に、タイヤが道路との摩擦で削れて平面上になった部分をいう。

フラットスポットが残るほどの急ブレーキであれば、路面に残されたブレーキ痕がもっと長くなるはずだった。現場付近を調べた関は、近くで行われていた道路工事で生じた砂がブレーキ痕を消してしまったのではないかと推測した。そこに、事故当時の現場写真の鑑定を終えた柳が駆けつける。画質の良くなった写真には、残されていたよりもさらに長いブレーキ痕が写っていた。

関はこれらの状況から、セダンがブレーキをかけた、すなわちミニバンの侵入に気づいたタイミングが、セダン運転手の証言した位置よりもずっと前だったこと、さらに柳の計算により、セダンの速度が40kmではなく55kmだったことを見破った。しかし、推測通りの位置からだと看板が邪魔して交差点に進入してくるミニバンの姿は見えない。セダンはなぜ急ブレーキをかけたのか?

セダン運転手のウソを見抜いた関は、現場に当事者を集め、当時の状況を再現して見せた。運転手がミニバンの侵入に気づいたと関が推測した位置からは、確かに看板が邪魔してミニバンを見ることはできない。しかし、関が注目したのはまさにこの看板だった。ミニバンがカーブを曲がって交差点に入ろうとすると、ヘッドライトの光が看板のすきまから漏れ、その光がセダン運転手の目に入ることになるのだ。交差点に進入する車がいても、セダン側の信号が青ならば急ブレーキを踏む必要はないはず。なのに急ブレーキを踏んでいたという矛盾から、セダン運転手の信号無視を見破った。細かい証拠を積み重ね、最終的に“急ブレーキを踏んでいた”という事実が信号無視の決定的な証拠となったのだ。

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