流動的な連係が目を引いた左サイドのトライアングル。横浜FCの武田英二郎も手応え「フクの攻撃は本当にストロング」

武田英二郎、福森晃斗、中野嘉大。横浜FCの左サイドで、3人の流動的な動きが目を引いた。

3月2日に行なわれたJ2第2節の大分戦は0-0の引き分け。開幕戦の山口戦(1-1)に続き、またも今季初勝利は掴めなかったが、1つのストロングポイントを示すことができた。

「強みだと思ったのは、ヨシ(中野)もフク(福森)も俺も、全員、話せること。試合の中で修正できるし、意識してやりたい」

そう振り返ったのは武田だ。3-4-2-1の左ウイングバックで今季初先発を飾った35歳は、左シャドーの中野、3バック左の福森との息の合ったコンビネーションに確かな手応えを感じている。

「相手が可変したり、いろんな動きをしてきたなかで、それにどう対応していくか。単純に言ったら、『行っていいよ、俺カバー入るから』とか、『俺ここで出るから、出ないで』とか、そういう細かいこととかを、俺の場合は特に守備面でフクとヨシと話しながら、構築できている」

とりわけ印象的だったのが、福森が前に出ていった時の武田のポジショニングだ。スペースを空けないよう、すっと下がる。気の利いたカバーリングでバランスを整えた武田が、もう1つの強みを口にする。

「フクの攻撃は本当にうちのストロングだと思う。見ているところも、そこに出す技術もすごくレベルが高い。チームの強みなので、そこを出せるように考えています」

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献身的な振る舞いでチームを下支えする武田だが、自身の高精度のクロスも魅力だ。大分戦でも惜しいシーンを作り出したが、ただ得点にはつなげられなかった。

「なんで自分が出ているのかと考えたら、ああいうところで合わせるとか、もっと良いチャンスにするとかだと思う」

貪欲に自分のプレーを突き詰める。

「もっと運べたんじゃないのかとか、もっと良いボールを違うところに出せたんじゃないかとか。すべてのプレーで思うことがある」

攻守の両局面で熟練のプレーを見せるベテランは、ドローで終わった大分戦を「久しぶりにスタメンで出してもらったから、どうしても結果が欲しかった。すごく悔しさが残る試合」と振り返る。

横浜FCは次節、9日に山形とホームで激突する。武田は「次もしチャンスがあれば(結果を)出せるように」と気合を入れた。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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