2024年は“地味”が経済のトレンドに?

先日、こんな質問をいただきました。「経済的な不安で安定思考になったからか、さいきん『映え』よりも『地味』が話題になっている気がします。2024年は地味アイテムや地味職業がトレンドになるんじゃないでしょうか?」今回は、この質問にお答えします。

先日、こんな質問をいただきました。 「経済的な不安で安定思考になったからか、さいきん『映え』よりも『地味』が話題になっている気がします。2024年は地味アイテムが注目されたり、地味な職業がトレンドになるんじゃないでしょうか? 中原さんはどう思いますか?」 今回は、この質問にお答えします。

2024年は“地味”がトレンドに?

個人投資家という職業柄、筆者は「人気が出そうな株を先回りして買って儲けたい」と考えています。だから、世の中のトレンドがどういう法則で変遷していくのか?には、それなりに気を払っています。 「今年は地味なものが流行るのでは?」と質問をいただいたとき、まず中原が感じたのは「自己矛盾していないか?」ということでした。 たとえば、さいきんYouTubeで優里さんというシンガーソングライターを知りました。もともと彼は路上ライブをしていたそうですが、いまでは有名なミュージシャンです。 そもそも「地味なもの」は注目を浴びません。それに、注目を浴びたら浴びたで「派手さ」が出てきます。注目を浴びてしまったら「それって地味じゃないよな~」と感じるのです。 そう考えたとき、質問者さんの言う「地味」というのは、単に目立たないことではなくて、「もともと面白いけれど、これまで世間から注目されてこなかったもの」のことなのかな~と思いました。 えてしてトレンドは「行き過ぎる」ものです。はじめは「もともと面白いけれど、これまで世間から注目されてこなかったもの」も、いずれは面白さに見合った注目をされ、さらには面白さとは不釣り合いなほど注目されていきます。 こないだ、SNSで面白い画像を見かけました。「19世紀にはお金持ちは車を買い、庶民は馬に乗った。しかし、21世紀になった今、庶民は車を買い、お金持ちは乗馬を楽しんでいる」というものです。 これは面白い社会風刺で、中原も思わず「たしかになー」とうなずいてしまいました。流行すればするほど流行品はありきたりになり、それ以外の希少価値が高まるものです。 人の趣味嗜好は面白いもので「なんでこんなものが?」と流行するものもたくさんあります。特に、人目を引きやすい派手なものはなおさらです。

経済でも「なんでこんなものが?」というものがトレンドになることがある?

これは経済でもよくあることで、株式市場では毎日のように小さなバブルが起きていて、そして次々に弾けています。行き過ぎた注目はあっという間に雲散霧消し、次のトレンドへと移っていきます。 私たち人間は社会的な生き物なので、みんなと同じことを知っていたり、共有できたりするのは楽しいです。だから、人々が派手なことに注目するのはこれからも変わらないと思います。 それでも、質問者さんの言うように“知る人ぞ知る地味アイテムや地味職業”も、テレビやSNSで火がつくと、中身が伴っているものならば一気に注目されるでしょう。 個人投資家的な観点から言えば「いまは注目されていないけれど、近い将来に注目されそうな地味な株」は、地味なうちに買っておくと儲けやすいです。 職業的にも、注目されていない職業のほうが就活がラクで良い気がします。小学生が将来の夢を「YouTuber」と答えるのも、彼らが派手で興味を引き、魅力的に映るからなのでしょう。しかし、我が子にYouTuberになってほしいと考える親はほとんどいないと思います。 2024年の最先端は「地味」なところに眠っているかもしれませんね。 文:中原 良太(個人投資家・トレーダー) 18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。 (文:中原 良太(個人投資家・トレーダー))

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