NANIMONO、AVAM、ベロティカ…… 最後に触れておきたい2024年注目の8組|「偶像音楽 斯斯然然」最終回

NANIMONO、AVAM、ベロティカ…… 最後に触れておきたい2024年注目の8組|「偶像音楽 斯斯然然」最終回

2019年4月からスタートし、当サイトの連載の中で最多更新となった『偶像音楽 斯斯然然』の最終回。今回は、冬将軍が今注目したいグループをピックアップ。それぞれの独自性を鋭く分析していく。

『偶像音楽 斯斯然然』

これはロックバンドの制作&マネジメントを長年経験してきた人間が、ロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である(隔週金曜日更新)。

“ロック好きのためのロック好きによるアイドルコラム”として2019年4月より始まった当コラム『偶像音楽 斯斯然然』も最終回。これまでグループ評や楽曲評、ジャーナリズム観点からのシーンの動向など、さまざまな斬り口でアイドルシーンについて綴ってきた。忖度一切なし、私、冬将軍の個人主観だからこその、通常の媒体では取り上げない話題の数々。最後は連載の大きな柱となっていたキュレーション記事で締めくくりたい。改めて2024年の今注目したいグループ。細分化しているジャンル的なところの動向の見解を交えながらの集大成。

【ラウドロック系】

シーンの大きなファクターを占めるロック系アイドルも大きな転換期を迎えている。ヘヴィ&ラウドというベーシックなサウンドがありつつ、アップテンポでエモーショナルなメロディやシャウトを用いたグループは正直食傷気味。yosugalaのような激しいだけではない、透明感や繊細さを持ち合わせたグループの台頭も興味深い。

そして、近年は団体戦術を得意としながら焦らずに確実にその実力と人気を伸ばしてきたINUWASI然り、頭抜けた1人が引っ張っていくことよりもグループカラーをメンバー全員が担うことがスタンダードになってきている。

加えて、楽曲の複雑化、メロディ構築の巧妙さも相俟って、シーン全体の歌唱レベルが格段に上がっているため、メンバー全員の平均レベルが高いグループが目立っている傾向がある。

ジエメイ ますます強力になっていく名古屋の雄

間違いなくロックアイドル最強レベルの4人組。歌唱、パフォーマンスともに一切隙はない。

ジエメイ「召命コーリング」Liveclip & Lyrics @NAGOYA DIAMOND HALL

アルバム『LUNA4』は正攻法のラウドロックを楽曲面、サウンド面を完璧に近い形でパッケージした、まごうかたなき地下アイドル最高峰のアルバム。唯一弱点があるとするなら“硬派すぎる”ところだろうか。アイドル楽曲としての“遊び”が欲しいなどと思っていたところの「MASH!!」の投下。ぐぬぬ、すべてを見透かされていたのか……。

ジエメイ「MASH!!」

さらにEP『IYKYK』をリリース。当コラムでも激プッシュしていた同郷名古屋グループの楽曲継承である。たまたまPop’n’Roll鈴木編集長と“「ゼロピリオド」が名曲すぎる、配信も映像も消えてもったいない”と話をしていた矢先のことである。

ジエメイ「ゼロピリオド」

両グループの楽曲を多く手掛けているのが、とみゐ鈴木だった。であるから、向こうは遊び心のある楽曲多めで、ジエメイは硬派に徹するといった具合いにグループカラーの棲み分けをしていたのだと認識していた。そして、ここにきての楽曲継承である。アイドルとしての遊び心を手に入れたジエメイがますます最強になってしまうことは間違いない。

シュレーディンガーの犬 キレッキレのバッキバキ

存在は知ってはいたものの、ライブを観ていてある時“異様にカッコいいサウンドの楽曲があるぞ”と気づき、5人編成になってから“これはっ!”とじわじわとハマり始めた次第。カッコいいサウンドの根源、ゲロゲロの極悪ヘヴィネスギターにバキバキのエッジィな電子音が絡み流麗な歌メロディが乗る、異様なほどに刺激的なエレクロニコアサウンドはAbe Yoshitoの手掛けたものだと知るが、観続けているうちにパフォーマンスレベルがぐんぐん上がっていった。

シュレーディンガーの犬「DoublE SliT」

特にここ数ヵ月における、いちの急成長が素晴らしく。ダンスのウマいアイドルは多かれど、運動神経のよさからウマさを感じる珍しいタイプ。四肢の動かし方と体幹が尋常ではなく、キレッキレのバッキバキという表現はこの人にこそ相応しいのではないだろうか。地下アイドル界でダントツにK-POP的な動きができる人なんじゃないかと思っている。加えて、歌も声の出し方のツボがわかったのかというほど絶好調で、当初に比べて声量が1.3倍くらいになっている。ハードロック、パンクボーカルにいそうな太くハスキー気味な歌声。ガーンといったれ!!というライブでの水を得た魚のようなボーカルは最高に気持ちよい。

シュレーディンガーの犬「Reincarnation」

そして療養から復活した、ならくの女帝っぷりも健在。先日開催された<いち生誕祭>、令和の2024年に「ブラックロックシューター」で泣かされることになるとは思わなかった。ならくといち、陰の女帝と陽の姫、という趣があっていいコンビだなと。加えて、もなの大人っぽさと少女っぽさが介在する無類のアイドル性と、るるかのボーカリストとして目覚め始めた計り知れないポテンシャルもあって、贔屓目抜きに今いちばん面白くなっているグループである。

特徴的なエレクロニコアを“V-ROCKピコリーモ”と勝手に評しているシュレ犬楽曲だが、カッコよさ一辺倒にいかない振り付けのキャッチーな外しも魅力であり、要所要所のインパクトある不可解な動きからも目が離せない。当コラム企画「ギターがカッコいいアイドルソング」でお馴染み、“the GazettEが凶暴化した時のリフ”の代表格「Singularity」のイントロ極悪リフで横向いて腕組みながら突き上げるような動き、あれを考えたのは天才だろう。

シュレーディンガーの犬「Singularity」

オーディションなど、今後の動向は不明だが、シュッとした4人のビジュアルも含めて、精鋭感の増したこのままで突き抜けていってほしい。

【地雷系ロック】

悲撃のヒロイン症候群が切り拓いた地雷系のアイドル。BiSやZOCの人間の泥臭さとは異なる内面的な卑屈さ、やり場のない心の闇と病み、狂愛、共依存……そんな負のオーラを一手に引き受けて登場したマーキュロによって、このシーンは確実に出来上がった。

アイドルとの会話の中でも“マーキュロみたいな〜”というワードが出てくることも少なくなく。戸川純から脈々と受け継がれるアーティストのサブカル自虐観は普遍的なものであると実感。心の弱さを強く歌う女の子の存在、若者の代弁者である。そして、アイドルは自分が変わりたいという願望が生み出すものにもなっている。

先駆者であるHEROINESが、デジタルネイティヴなアプローチをしている一方で、マーキュロ主宰レーベル『サークルライチ』がアングラ、サブカル、ヴィジュアル系という古くからの様式美で攻めている。一見対照的なようだがベクトルは同じである。

ガガピエロ 多彩なサウンドの宝庫

GILTY × GILTYがスタイリッシュなロックサウンドに乗せて悲撃のヒロイン症候群の持っていた負のオーラを心地よいものに変え、AdamLilithがBLK LiLiYのゴシックメタルを継承しながらよりシンフォニックな響きを加えて、暗黒ダンスミュージックを奏でる。HEROINESの楽曲制作陣営にはいつも驚かされっぱなしであるが、中でも多彩なサウンドプロダクトとそのまとめ上げが見事すぎるグループが、ガガピエロである。

ガガピエロ「ノックアウト!」

誰もが打ちのめされる脅威のキラーチューン「ノックアウト!」(作詞曲&編曲:宮内椋太)、ヘヴィサウンドでマイナー調なのになぜか楽しげな気分に巻き込まれる「バグリウム」(作詞:菊池諒、作編曲:芝山武憲)、煌びやかなサウンドとハッピーメロが織りなす「乙女戦争」(作詞曲:OKA-Nyan)……そして、砂川優、エンドウ.(GEEKS)、Nishi Atsuki……といったようにメインコンポーザーが不在どころか、すべての楽曲の制作者が異なっている。でありながらもひたすらにキャッチーなメロディとサーカスを想起させる華やかなサウンドはすべてに共通するところで、しっかりとしたグループの図太い柱を感じる。各作曲家の遊び心を集約させた結果が、ガガピエロの個性になっているという恐ろしさ。普通こんなことをやったらまとまらないどころか、何がやりたいのかわからなくなってしまうのだが……。

ガガピエロ「バグリウム」

楽曲から感じていた“ガガピっぽさ”が複数のコンポーザーによって生み出されていると知った時には思わず声が出た。ライブで聴き慣れた楽曲の音源化、待望のアルバム『GAGA CIRCUS』を聴いて、ミックスの丁寧さと繊細な音使いに感心させられたのだが、クレジットを見てさらに驚愕したのである。マスタリングもすごいし、楽曲をまとめ上げた(発注した)制作ディレクター?もすごい。何よりそれをきちんと自分たちのものにしているメンバーがすごい。

ガガピエロ「ナイモノネダリ」

ベロティカ 妖艶で邪悪なギャルサー

マーキュロ主宰レーベル『サークルライチ』の異端児。サブカル、アングラの雰囲気醸す同レーベルの中で彼女たちの掲げる“エロティシズム”は、品よく芸術性を漂わせながらアイドルとしての輪郭を強く表すもの。

ベロティカ「本能」

ヴィジュアル系バンドが持つ、“おバカっぽさ”と“チャラさ”をウマくアイドル、ギャルに落とし込んでいる。メンヘラよりメルヘン、妖艶で邪悪なギャルサーである。これまで女性がヴィジュアル系方面へ行く場合、タカラジェンヌばりの男装の麗人、もしくはゴスロリに行きがちの中で、女性性を全面に出した前進性は、ヴィジュアル系を知り尽くした同レーベルだからこそ辿り着いたアイドルの新境地。

二次元味に溢れたドール感の冬邑ハク、グラビアも強いギャル歌姫・星月夜あむなど、異性同性両方にウケるキャラクター性、黒々とした地雷〜ヴィジュアル系世界観が苦手という層への訴求力もありつつ、キラキラ系とは異なるいい具合いのマニアライクの匂いがカルトな琴線を震わせる。

ベロティカ「愛の罠」

サウンド含めた楽曲はもちろん直球V-ROCK。一筋縄ではいかない言葉選びと癖のある歌い回しは、ヴィジュアル系細分化で例えるならBAROQUEや愛狂います。などの“オサレ系”。ヘヴィでエッジィな“コテ系”の多い同レーベルの中では比較的ライトで、ポップ且つキャッチーな方向へ振っている。

ベロティカ「覚醒butterfly」

ルノアエクラから受け継いだ「SADISTIC WORLD」(Tetsuya(ex. My BACTERIA HEAT IsLAND, RAZOR……)作曲)を完全に本家越えのオリジナルソングへと昇華した力量も素晴らしく、活動開始から半年足らずで魅せつけるライブを展開。5月2日にWOMBLIVEでの半周年ライブを控え、今ノリにノっているグループである。

MAD MEDiCiNE ラスボス大集結

リリースするたびにどんどんパワーアップしているMAD MEDiCiNE(以下、マドメド)。これまたとんでもないバケモノ曲が投下された。

MAD MEDiCiNE「楽飴華-ハッピィキャンディチャイニィ-」

中低音ブラスにアジアンなメロディ、BLACKPINK的な妖艶ダンスチューン⁉︎と思いきや、主題にくればマドメド節の夜想曲メロディが入ってくる安心感。ギャングスタラップなトラップパートといい、いくつかの楽曲を1つにまとめたようなすさまじい情報量がありつつも、隙を与えずに次々と展開していきながら3分半にまとめた手腕に感服。マドメド楽曲はバンド曲っぽくありながらサウンドプロダクトをエレクトロに寄せている傾向があるが、同曲で個人的にツボったのは1’54”からテンポが加速する箇所。ハイハットでカウントが入る。エレクトロビートなのに突如とした人力感。このセンス、最高である。

加えて同曲MVが織りなす世界観。衣装もMVも、予算と手間暇を掛けるべきところに惜しげもなく掛ける安心感。映像美もさることながら、楊貴妃……ではなく那月邪夢をはじめ5人が纏うダークオーラも凄味を増す。マドメドに興味を持つ入口は多くの場合、魔王邪夢だと思うが、Q酸素の気持ちいいほどのロックボーカルや、ありすりあの無邪気な小悪魔所作、フランス人形擬人化の憑宮ルチアだったりと次第に他メンバーの魅力に気づくことだろう。同MVで唯一むにがセンターに来た際の、彼女が放つアイドル完璧超人無敵感恐るべし……。『電子戦隊デンジマン』のヘドリアン女王から『仮面ライダーリバイス』のアギレラ様、『シン・仮面ライダー』のハチオーグまで、戦隊モノ/仮面ライダーシリーズを彩ってきた悪の女幹部も真っ青のラスボス大集結の5人に我々はひれ伏すしかない。

MAD MEDiCiNE「MAD SiCK CiRCUS」

4月29日にはElectric Lady Landでバンドセットライブが開催されるというが、ゲームミュージックテイスト曲や、バンド曲をエレクトロアレンジに直しているような楽曲群が、生バンドでどうリアレンジされるのだろうか。

AVAM ハマると抜けられない狂依存

このところ急進的に勢いを増しているAVAM。2023年4月のデビュー当初は青を基調とした衣装と楽曲「僕の世界は蒼で染まっていく」から、グループ発足のきっかけとなったプロジェクトから一新するような爽快さを感じるグループ、という印象だった。

AVAM「今日、依存して。」

しかしながら「今日、依存して。」からのグループの方向性の定まり方は目を見張るものがあり、「Kiss&Bite; Me!」で音楽的にもビジュアル的にも完璧に仕上がった感がある。サウンド、メロディ、各メンバーキャラを活かしたボーカリゼーション、非の打ちどころのない強曲。最後転調したと思ったら、ラストでさりげなく原キーに戻る様は絶品である。

AVAM「Kiss&Bite; Me!」

月深乃絢、東雲青空といったインフルエンサーに桔梗花香のハンサムっぷりなど、メンバー個々のキャラクター性による訴求力も高く、多方面で戦うことができる、今最も目が離せないグループである。

AVAM「めいく♡まーきんぐ」

【次世代アイドルの形】

昨今のアイドルシーンでの大きな出来事は“地下アイドル”が蔑称ではなくなったことだろう。メインカルチャーに対するサブカルチャー的なアイドルアイコンは、でんぱ組inc.のブレイクによって広く知られたわけだが、現在における地下アイドルはコロナ禍で確立されたものだ。流行はSNSから、SNSの使い方が上手なアイドルが人気となり、SNSの人気者がアイドルになる。SNSが主戦場となった現在において、アイドルのプライベートは隠すものという偶像は古くなっている。

さらに、地下アイドルの市場が拓けたことでの制作周りをはじめとしたミュージシャン界隈の恩恵も大きく。少なくとも00年代までは地下アイドルの楽曲制作といえば、作曲家志望の若いクリエイターがバイト代わりに二束三文で請け負うものであったが、昨今はむしろクリエイターとしてのステータスにもなっている。それは同時にバンドマンに関しても言えることだ。そしてまだ無名のアイドルグループに楽曲提供、はたまたバックバンドに参加することでのサクセスストーリーを描く者も多い。何よりもそれによってサウンドも楽曲も格段にクオリティが上がったことだろう。加えてボカロの一般化によって、新たなボーカルスタイルも増えた。大きな音符の取り方や言葉のイントネーション&アクセントずらしによる、言葉詰めの可能性などなど……。

そして、メンバーそれぞれの個の強さにフォーカスすることが一般化している。誰がセンターだとかエースだとか、そういう概念はなくなってきているのが現在のアイドルグループである。

NANIMONO ゆるふわポップを奏でるインキャのカリスマ

クラスの人気者でなくともアイドルになることができる現代。コンプレックスをも武器にすることや、自分が変わりたいという変身願望こそがアイドルへの憧れになる。地雷系ロックと本質は一緒なれど、方法論が異なる象徴がインキャのカリスマ、NANIMONOである。ゆるふわエレポップに乗せてインキャ目線、ヲタク目線での世の中の歯痒さをキャッチーに歌う。

NANIMONO「インキャのキャキャキャ」

ふわふわっとしたイマドキなグループが出てきたと思っていたら確実に集客を伸ばし、ここでも何度か触れてきたが、地下アイドルの“地”の字も知らない10代女子が、“よるあみ(夜光性アミューズ)とNANIMONOは知っている”という現象に何度も遭遇。“これは……⁉︎”と思っていたら、あれよという間にメジャーデビュー。

NANIMONOが残したインパクトはキャラクター的なゆるさを音楽、視覚を含めて全面的に世界観として落とし込んだことだ。彼女たちの名刺曲でもある「アイデンティティー」然り、ほかにないゆったりとしたテンポ感で観る者を引き込む。時に殺伐とした対バンイベントであっても、NANIMONOが出てくると空気が変わるという光景を何度見たことか。20〜30分枠の多いステージでどうインパクトを残すか。多くのグループが1曲でも多くセトリを組み、最後に早口で何を言っているのかわからない自己紹介で終える中、登場SEとして1曲分たっぷりと1人ひとりをフォーカスすることで、多くの人の頭に“NANIMONOって何者?”という疑問符を残していったのである。

NANIMONO「ジャージは戦闘服★」

おい、woofy basses(横浜・神戸のベース専門店『Geek IN Box』のブランド)のPJピックアップの5弦なんていうマニア中のマニアにしか伝わらないベース持たせたの誰だよ! いいぞもっとやれ!

のんふぃく! ドカ沸きキラキラハードコア

ラストはHEORINES屈指の実力派、ポップでキャッチーなのに極悪ヘヴィサウンドという、キラキラハードコアをドッカンドッカン掻き鳴らす、のんふぃく!。

のんふぃく!「ちゅきらぶ!」

アニメソングの強烈なキャラソング、ニコニコ動画のマッシュアップ、こんなの歌うの不可能だろというボカロ曲……混沌としたカオティックな要素をアイドルというフォーマットを使って“可愛いければすべてよし”という正義を振り翳しながらの大暴れ。《ウキウキ大臣 「ちゅきらぶ」》《ドドストストストストラテジー 「ストラテジー」》などなど、言葉の意味を求めたら負け。《恋に恋 来い!濃い好意を乞い 「プラトニックチョロイン」》なんてウマいのか意味不明なのか、何言ってるのかよくわからなくなってきたけど……なんて挙句は、同曲を作詞、多くののんふぃく!楽曲を手掛ける磯野涼まで“今でもよくわかっていない”と発言していることから、本当に意味を求めたら負けなのである。

のんふぃく「プラトニックチョロイン」

不条理な言葉の羅列は詞を当てた段階で、元メロディが変わってしまうのではないかとか、はたまたハメ英語をそのままに造語を作り出しているのかは気になるところだが、こんなにも歌いにくく発音しにくいものをサラっと可愛さで昇華しているメンバーの恐ろしさ。それがあまりにナチュラルすぎるために、楽曲難易度も当人たちのスキルの高さもなかなか伝わりづらかったりもする。

キラキラハードコアなんて勝手に言っているが、従来のアイドルファンはもちろん、聴けば聴くほどに妙を感じるサウンドによって唸るロックファンへの訴求力も高く。iLiFE!とは異なる破壊力を持った現代アイドルの新基軸だ。

というわけで、5年間ありがとうございました!

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偶像音楽 斯斯然然

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