北朝鮮の新型コロナ対策は「過剰で不要だった」=国際人権団体

[ソウル 7日 ロイター] - 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は最新の報告書で、北朝鮮が講じた国境封鎖などの新型コロナウイルスのパンデミック対策について「過剰で不必要」だったとみなし、食糧安全保障や必需品の入手に深刻な影響を与えたと分析した。

パンデミックが世界を襲った2020年、北朝鮮指導部は中国とロシアの国境を封鎖し、密輸業者や脱北者が通るルートを遮断する大規模な対策に乗り出した。

報告書は元北朝鮮貿易商、脱北者など北朝鮮とつながりのある人々へのインタビューと国境地帯の衛星写真を掲載。「政府は過去20年半の間に統制の弱まった分野、特に国境管理、市場活動、無許可の旅行、情報へのアクセスなどにおいて再び統制を強めようとしている」と指摘した。

北朝鮮は国境規制についてコメントしていないが、自国民の必要に配慮しているとする一方、一部の食糧不足を認め、核兵器開発計画に対して発動された国際的な制裁が苦難を引き起こしていると主張している。

報告書は「国境規制で大半の国民のほとんどの収入源が断たれ、既に限られていた食糧、医薬品、生活必需品を購入する能力が低下した」と指摘した。

ソウルを拠点に北朝鮮を監視するオンラインメディア「NKニュース」によると、北朝鮮は、ロシア人観光客や中国の貿易代表団の訪問は許可しているにもかかわらず、外国の援助関係者の立ち入りを阻止し続けている。

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