豪業界団体、政府排ガス規制への不支持巡り内部対立 テスラ脱退

Lewis Jackson Stella Qiu

[シドニー 8日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラと、中国の浙江吉利控股集団が一部保有するスウェーデンのEVメーカーであるポールスターは、オーストラリア連邦自動車産業会議所(FCAI)から脱退した。豪政府が提案した排ガス規制に批判的なFCAIに反発し、脱退を決めたという。

豪政府はEVの普及を促進し排出ガスを削減するため、ガスを大量に排出するモデルを輸入する自動車メーカーに罰則を科す一方で、よりクリーンな車両を輸入するメーカーには報奨を与えることを提案した。

FCAIはこの規制について、プレミアムカーの所有者のニーズを満たす一方で、選択肢が減って価格が上昇するような制度を支持できないの立場を示している。

こうしたFCAIの見解に対して、テスラの豪部門は、規制内容や自動車価格への影響について虚偽の主張をしていると批判。ポールスターの豪部門も、政策に対する社会的な信頼が損なわれたとしている。

独フォルクスワーゲン(VW)の豪部門は、規制案への支持を表明するとともに、テスラなどの脱退に懸念の意を示した。VWはFCAIを脱退していない。

オーストラリアでシェア1位のトヨタ自動車は規制案に反対する姿勢を表明。FCAIの主張を支持し政府に規制の内容見直しと段階的な罰則を求めた。

FCAIのメンバーは50以上のブランドを展開し、代表はマツダ、副代表はトヨタと三菱自動車工業から選出されている。

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