天皇皇后両陛下が哀悼の意を示された宮内庁参与 過去には「女性天皇容認」発言も

(写真提供:宮内庁)

3月7日、宮内庁は政治学者の五百旗頭真さん(いおきべまこと・享年80)が亡くなったことを受けて、「ご冥福を祈っている」とする天皇、皇后両陛下のお気持ちを明らかにした。侍従長を通じて遺族に伝達されたという。

「五百旗頭さんは2020年から天皇陛下の個人的な相談役である宮内庁参与を務めていました。両陛下は先月23日の天皇誕生日祝賀で五百旗頭さんと会われたばかりで、突然の訃報を大変残念に思われ、生前お世話になったことに感謝の気持ちを示されているなどと、報じられています」(皇室担当記者)

日米の政治外交史を専門とし、神戸大学教授、防衛大学校長などを歴任してきた五百旗頭さん。2017年1月には、当時皇太子ご夫妻でいらした天皇陛下と雅子さまが、熊本県立大学理事長だった五百旗頭さんを東宮御所に招かれ、約1時間半にわたって説明を受けられている。

「五百旗頭さんは『くまもと復旧・復興有識者会議』の座長を務めたことがあり、両陛下は熊本の復興に関する提言についてお聴きになられたのです。

その際に両陛下が五百旗頭さんを信頼できる人物だとお感じになったからこそ、3年後の参与就任につながったのでしょう。私的なアドバイザーである宮内庁参与の選定は、内閣の関与を受けることなく、天皇陛下が唯一、最終決定権を持っている人事なのです」(前出・皇室担当記者)

本誌は2020年7月21日号で、五百旗頭さんの参与就任について記事を報じている。

「当時、五百旗頭さんの参与就任は、宮内庁内でも注目を集めていました。実は五百旗頭さんは過去に、女性天皇を認めるべきという趣旨の発言をしていたからです」(前出・皇室担当記者)

2006年2月12日、『産経新聞』への寄稿で、五百旗頭さんは次のようにつづっていたのだ。

《国民の幸せを切に願う天皇制の伝統は今も変わっていないと思う。性別にこだわって廃絶の危険を冒すのではなく、男女いずれであれ、おだやかな敬愛を集め国民とともにある天皇制を望みたい》

五百旗頭さんも懸念していた皇統の危機に、両陛下はいまも苦悩され続けている。

© 株式会社光文社