MLBスプリングトレーニング視察のため渡米している、日本ハムの栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)の現地での活動の様子が米国内で伝えられている。
メジャー公式サイト『MLB.com』では、栗山CBOが3月7日にタンパベイ・レイズのキャンプ地、米フロリダ州ポートシャーロットを訪れたことを特集記事として報じた。
記事には「レイズが伝説の監督、ヒデキ・クリヤマをキャンプに迎える」と銘打たれている通り、前日本代表指揮官であり、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝監督としての功績を称えながら、キャンプ地での動向を振り返る内容となっている。
記事では、「レイズはクラブハウスとダッグアウトのドアを開け放ち、クリヤマは午前中ずっとチームのフロントやフィールドスタッフとのミーティングに出席、できる限りのことを吸収した」と綴っている他、「彼はシャーロット・スポーツ・パークでタンパベイが(フィラデルフィア)フィリーズに3対2で勝利した試合前、試合中、試合後に多かれ少なかれ、ケビン・キャッシュ監督を影で見守り、レイズのキャンプにどっぷり浸かった」などと、訪問時の様子を回想。
また、栗山CBOを「日本で最も熟達した指揮官のひとり」とも評しており、日本ハム監督時代などの経歴を辿るとともに大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)の名前を挙げ、「オオタニを含む多くの日本人メジャーリーガーの指導者でもある」と紹介している。
さらに、栗山CBOが長年にわたり、レイズの組織運営に興味を持っていたことが今回の訪問に繋がったと記しながら、同メディアは「クリヤマが抱くレイズのビジネスのやり方に対する称賛と関心は、彼の試合に対する考え方に由来している。彼は母国で最も先進的な監督のひとりであり、NPBにおけるオープナーや守備シフトなどの分析に基づいた戦略の先駆者であると考えられている」と指導者としてのスタイルを評価している。
他にも、今季よりレイズとマイナー契約を結んだ上沢直之との関係についても、「タンパベイの投手陣に割って入るチャンスを持つノン・ロースター招待選手のウワサワは、日本でのキャリアをすべて日本ハムで過ごし、最初の9シーズンをクリヤマの下でプレーした」と綴っている。
栗山CBOが「レイズが勝利の文化を築くという点で何をしてきたのか、ずっと見てみたいと思っていた」と語っていた言葉も紹介さており、選手、スタッフの育成の様子を知ることができ「収穫を得た」とも記されている。世界一を成し遂げた日本人指揮官にとって、レイズキャンプ訪問は充実の一日だったようだ。
構成●THE DIGEST編集部