目指せ!薬用植物「甘草」の産地化 福島県郡山市の安積高と奥羽大薬学部共同研究 根の成分解析始まる

収穫した甘草を手に、研究への意欲を新たにする(右から)砂子田さん、阿部さん、伊藤さん、舟木さん

 薬用植物「甘草(カンゾウ)」の産地化を目指す福島県郡山市の安積高と奥羽大薬学部の共同研究で、事業開始から3年以上を経て、収穫した甘草の根の成分解析が始まった。安積高の生徒は栽培方法の確立に向け、意欲を新たにしている。

 甘草の苗は2020(令和2)年、当時の生徒が学校敷地内の畑に植えた。昨年12月、SSクラスの阿部航太さん、砂子田陽大さん、伊藤健太さん、(2年)、生物部の舟木愛莉さん(1年)が3年かけて根が伸びた14本を収穫した。1月末に奥羽大薬学部の村田清志准教授の研究室で薬効成分の解析などが始まった。

 4人は入学後、甘草の茎の一部を切り取った「挿し穂」を液肥入りの水で培養し、条件を変えて発根率の違いを調べてきた。昨年夏から秋にかけての実験では、水流や葉の数が発根に影響を与える可能性を突き止めた。

 一方で、発根を促す植物ホルモンを投与しても、茎の一番上の芽(頂芽)を含まない部分は全く発根しなかった。今春以降の実験では、植物ホルモンの与え方を変え、頂芽のない挿し穂を発根させる条件を調べる。

 伊藤さんは「水耕栽培は場所を取らず衛生的。市内の栽培者を増やすため、農家が簡単に栽培できる方法を探りたい」としている。

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