3年前に行方不明になった漁船「第八しんこう丸」 和歌山沖合の海底で見つかる 愛媛から三重に向かう途中で消息絶つ 船長の母「見つかって安堵の気持ちと複雑な気持ち…」

第五管区海上保安本部は、2020年12月に愛媛県愛南町から三重県に向かう途中、行方不明になっていた「第八しんこう丸」(総トン数199トン)が、和歌山県すさみ町の南西沖約30キロの海底で確認されたと発表しました。

第五管区海上保安本部によりますと、おととし、JAMSTEC「海洋研究開発機構」の調査で、油が浮いていた現場付近の海底で船体らしきものを発見、2024年2月17日に五管の無人探査で第八しんこう丸であることを確認したということです。

第八しんこう丸は、愛媛県宇和島市の「戸田水産」が所有する漁獲物運搬船で、当時6人が乗船していて、航行中に突如、消息を絶っていました。

行方不明になった後、海上保安本部は、和歌山県すさみ町の南西約30キロの沖合で「第八しんこう丸」と同じ燃料の重油が大量に浮いているのを確認していました。

第八しんこう丸は、2020年12月22日に愛媛県愛南町で鮮魚を積んで出発し、翌23日午後に三重県の尾鷲港に到着する予定でした。

船には船長の戸田源二さん、宮中恵二郎さん、砂田千年さん、森下満晴さん、浅井京さん、白井勝大さんが乗っていましたが、6人は現在も行方不明で、手がかりは見つかっていないということです。

戸田船長の母・戸田明美さん(78)
「(第八しんこう丸が)見つかって安堵している気持ちと複雑な気持ちです。『ああ、やっぱり絶対にもうだめなんだ』という気持ちですね」

第五管区海上保安本部は、今後も行方不明者の捜索を続けると共に、沈没の原因などを調べていくということです。

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