潜水艦「じんげい」海自に引き渡し 最新鋭「たいげい型」3隻目 三菱重工業神戸造船所

三菱重工業神戸造船所が建造し、海上自衛隊に引き渡された潜水艦「じんげい」=8日午前、神戸港

 三菱重工業神戸造船所(神戸市兵庫区)で8日、防衛省向け潜水艦「じんげい」の引き渡し式があった。最新鋭艦「たいげい型」の3隻目で、戦後に同造船所で建造された潜水艦では30隻目。海上自衛隊横須賀基地(神奈川県)に配備される。

 潜水艦は毎年、同造船所と川崎重工業神戸工場(神戸市中央区)で交互に建造される。じんげいは全長84メートル、幅9.1メートル、高さ10.4メートルで約70人が乗り込む。潜航時は蓄電したリチウムイオン電池で動き、高い探知能力や静粛性が特徴。女性用の寝室なども備える。建造費は約699億円。

 式典には防衛省や三菱重工などの約300人が出席。同社防衛・宇宙セグメント長の江口雅之執行役員が増田和夫防衛事務次官に引き渡し書を手渡した。

 増田氏は訓示で、北朝鮮や中国、ロシアへの警戒の必要性に触れ「四方を海に囲まれているわが国の防衛で潜水艦隊の役目は一層大きくなっている」と強調した。(石川 翠)

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