尾崎裕哉が語るミュージシャンとしての苦悩「自分について歌いたい」 加藤登紀子からの一言に納得

尾崎裕哉さん(左)と、加藤登紀子さん

尾崎豊さんの息子で、シンガーソングライターの尾崎裕哉さんが、歌手の加藤登紀子さんとYaeさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組『登紀子とYaeの地球に乾杯!』(ラジオ関西)に3週連続ゲスト出演。その2週目では、裕哉さんの音楽のルーツや自身の音楽観について語りました。

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高校時代にはパンクバンドでギターを弾いていた裕哉さんですが、若い頃、人前に立つことや目立つことが苦手だったと明かします。公の場やプライベートで歌うことに対しても同様の感情を抱き、『尾崎豊特別展 OZAKI20』での記者会見や歌の披露(※2012年9月6日の記者内覧会)は非常にストレスがかかっていたと吐露していました。

4~14歳までアメリカのボストンで過ごした経験から、裕哉さんは歌詞を書くとき、最初に英語でインスピレーションが浮かぶそうで、「本当に伝えたいなど、気持ちから出たものは英語になることが多い」とのこと。

それでも、裕哉さんは英語の詞を書くことにこだわりはなく、「日本語で歌いたいという気持ちがある」とコメント。また、言葉を歌詞に詰め込むということはせず、80年代や90年代のJ-ROCKや母の影響から、歌詞とメロディーが調和した、聞き取りやすい独自の音楽づくりを目指しているそうです。

裕哉さんは曲を作るとき、自分自身の言葉に嘘がなく、背伸びをしないことを重要視。「誰かに提供する作品ならまた別なのですが、シンガーソングライターとしてやっているからには、自分について歌いたいなという気持ちはありますね」(裕哉さん)。

その一方で、自分の考えを完全に曲に落とし込むことの難しさも感じているのだとか。裕哉さんのメッセージが、聴き手が求めているものであるかどうか、というバランスを見つけることに悩んでいることも打ち明けていました。

同番組パーソナリティーの加藤登紀子さんは、音楽制作における「この種の悩みは誰しもが持つ普遍的なもの」といい、アーティストが自分の内なる声に耳を傾け、それを表現することの重要性を強調。加藤さん自身の経験から、「聴き手が求めているものを意識しすぎた曲よりも、自分から自然に湧き出るものを表現した曲が、最終的には残り、価値を持つ」と、持論を展開しました。

さらに、裕哉さんからの「長く音楽活動を続けるには?」という質問に対して、加藤さんは「自分勝手に生きること」と即答。その一言に、裕哉さんも腑に落ちたようでした。

裕哉さんはコロナ禍の中でも音楽活動を継続。ライブ活動を絶やさないという強い意志を持って活動していたそうで、この期間はツアーを2本回り、ファンクラブを立ち上げるなど、ファンとの関係を深める機会となったよう。

「デビューしたばかりの頃は注目されるんだけど、何を見に来ているのかがわからなくて」と当時の心境を吐露した裕哉さん。逆に、自分と真剣に向き合ってくれるファンを見極める重要な時期と捉えて歌手活動を継続し、ファンとの深い絆を築く貴重な機会となったことも語っていました。

裕哉さんは、自身の新たな音楽キャリアの幕開けとなる『HIROYA OZAKI -IN BLOSSOMS TOUR-』と題したツアーを4月に東名阪で開催予定。詳細は尾崎裕哉公式サイトに掲載されています。

※ラジオ関西『登紀子とYaeの地球に乾杯!』2024年2月19日放送回より

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