「絶対に使わないで」ガソリン混入の灯油販売 88人中約50人から回収 注油タンク誤る 福島・いわき市

福島県いわき市のガソリンスタンドで、ガソリンが混ざった灯油が販売されていたことが7日、分かりました。消防では、石油ストーブで使うと異常燃焼して火災になる恐れが高いため、使用しないよう注意を呼びかけています。

いわき市小名浜にあるガソリンスタンド「マルイ小名浜サービスステーション」で、販売されていた灯油に、ガソリンが混ざっていたことがわかりました。

いわき市消防本部によりますと、3月5日の正午ごろ、タンクローリーからガソリンを入れる際、誤って灯油のタンクに入れました。スタンドではそれに気づかず、7日午後7時までにガソリンの混ざった灯油を、88人に約2000リットル販売したということです。

ガソリンスタンドは8日の営業を休止して客の対応にあたっていて、灯油を購入した人が次々と返却に訪れていました。

灯油を返却に来た客「びっくりですし、危ないなと思って急いで来た」

異常燃焼の恐れ 消防「絶対に使わないで」

消防では、ガソリンが混ざった灯油を石油ストーブで使うと、異常燃焼して火災になる恐れが高いとして購入した客の特定を進めるとともに使用しないよう注意を呼びかけています。

いわき市消防本部予防課・山崎正人課長「周りに可燃物があると燃え移って、大きな火災に発展する可能性がある。購入したことが思い当たる方は、まず絶対に使わないことが第一」

いわき市消防本部によりますと、調査の結果、今回灯油に混入したガソリンは全体の1割程度でしたが、それでも誤ってストーブで使ってしまうと、異常燃焼につながる恐れがあるということです。

午後4時現在、回収できたのは購入した88人のうち50人ほどだということです。

もしもガソリンをストーブで使ったら…

もしも石油ストーブに、ガソリンを誤って給油した場合、どうなるのか。NITE・「製品評価技術基盤機構」が実験をしました。

ガソリンを入れた石油ストーブを点火すると、一瞬でストーブが炎に包まれ、燃え上りました。石油ストーブにガソリンを給油すると異常燃焼が起こり、火災を引き起こしてしまいます。

また、ファンヒーターにガソリンを給油した実験でも、徐々にタンクからガソリンが漏れ出し、そこに引火してしまいました。

こうしたことを防ぐため、NITEでは、灯油とガソリンはラベル表示のある容器に入れて別々の場所で保管することを勧めています。

いわき市消防本部によりますと、調査を行った結果、今回灯油に混入したガソリンは比率にして全体の1割程度でしたが、それでも、誤ってストーブで使ってしまうと、異常燃焼につながる恐れがあるといいうことです。

8日午後4時現在、回収できたのは灯油を購入した88人のうち50人程度で、消防は購入した心当たりがある人は絶対に使わないように注意を呼びかけています。

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