【金鯱賞/追い切り診断】昨年よりも質・量ともに凌駕する高評価 「心身ともにレベルアップで勝ち負け」

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■ヤマニンサルバム

【中間調整】オープン昇級後、芝2000m路線で走ってきたが重賞ではひと息の成績続きだった。しかし2走前のリステッド・オクトーバーSでオープンでの初勝利を挙げると、前走の中日新聞杯で待望の重賞初勝利。ここへ来て一気に地力強化を果たした印象がある。前走の勝利で6戦5勝とした中京巧者であり、唯一の敗北を喫した昨年(7着)のリベンジを果たすべく、今年も金鯱賞へ進むのは既定路線。

短期放牧を経て2月半ばに栗東へ戻っており、18日に坂路14-14をこなしたのが中間の初時計。2週前のCW調教は稽古駆けする3歳馬2頭を先導する形で、楽々と併入とした。時計は5F66秒台で、緩んだ雰囲気は一切感じられない。1週前のCW3頭併せには岩田康騎手が騎乗(本番は三浦騎手)し、2週前と同じ2頭を今度は外後方からマクっていき、貫禄の違いで最先着を果たしている。

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【最終追い切り】負荷は1週前の段階でしっかり掛かっており、レース当週は坂路で終い重点の併せ馬。3歳1勝馬を目標に反応を確認する程度の内容となった。力まずバランスのいい走りで脚を溜め、ラストで手前を替えてからはグンと加速。楽に1馬身半差の先着を果たした。いかにも精神面でいい状況にありそうな動きと言えた。

【見解】ベスト条件と言える目標のレースに狂いのない調整で臨めている。2週前、1週前と活きのいい若駒を相手にしたCW追いの動きは豪快そのもので、放牧期間中にもさらなる成長を遂げた印象がある。東京遠征帰りの中5週、馬なりオンリーだった昨年の金鯱賞時の調整と比較し、今回は質・量ともに凌駕。心身ともにレベルアップを果たしたいまなら、勝ち負けの競馬になっていい。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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