2024年の最初の2カ月、中国の輸出が「意外な伸び」―独メディア

7日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、今年1〜2月の中国の輸出が予測を大きく上回る伸びを見せたと報じた。写真は青島港。

2024年3月7日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、今年1〜2月の中国の輸出が予測を大きく上回る伸びを見せたと報じた。

記事は、中国の税関総署が7日、1〜2月の輸出額が前年同期比7.1%増の5280億ドル(約78兆円)で、貿易黒字が同20.5%増の1251億ドル(約18兆円)になったと紹介。2カ月まとめた統計の発表は、毎年1〜2月の間で不定期に変動する春節(旧正月)期間の休業による統計への影響を回避するものだと説明するとともに、輸出、輸入とも1%台の増加にとどまるという予測を大きく上回る結果になったとし、王文涛(ワン・ウエンタオ)商務部長が6日の全国人民代表大会(全人代)会議にて「今年1〜2月の貿易は昨年10月からの増加が続く見込みで、総じて上向きの傾向にある」と述べたことを伝えた。

そして、中国では長きにわたり輸出が経済成長の主な原動力になってきたとし、予想を大きく超える中国の輸出増は低迷する世界貿易回復に向けた希望になると説明。中国は世界の多くの地域にとって主要な貿易パートナーでもあることから、中国経済の健全な発展は世界各国にもポジティブな影響を与えるとも伝え、輸出需要の低下に苦しむドイツでも今年1月の輸出販売額が中国からの需要増を受けて前年同期比6.3%増になったことを紹介した。

一方で、今年1〜2月の中国の輸出額が対前年同期比で大きく伸びた背景には、「ゼロコロナ」政策が解除されたばかりだった昨年1〜2月の数値が低かったことがあると指摘。中国当局はコロナ後に経済回復を試み続けているものの、その効果は限定的だとしたほか、ここ数年は地政学的な緊張の激化も中国の貿易増加の足を引っ張っているとも伝えた。

記事は、李強(リー・チアン)首相が5日の全人代会議で今年の経済成長率5%の目標を掲げるとともに、完成品輸出への過度の依存や過剰な生産能力による発展モデルの転換を約束したと紹介。「今回の輸出増はこの壮大な目標への楽観的な見方をもたらしうるが、ここ数年の低成長や不動産危機といった要素を抱える中で、中国政府は輸出を含む持続的な成長を保ってこそ、人々の信用を勝ち取ることができるのだ」と評した。(翻訳・編集/川尻)

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