鳥山明さん死去「漫画印税だけで100億円超」「強敵は編集者がモデル」「かめはめ波は妻が提案」偉大すぎる伝説

鳥山明さん(1981年)

『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』で知られる漫画家・鳥山明さんが、3月1日に亡くなっていたことが、8日、『ドラゴンボール』の公式X(旧Twitter)で発表された。68歳だった。

死因は急性硬膜下血腫と発表され、《熱心に取り掛かっていた仕事もたくさんあり、まだまだ成し遂げたいこともあったはずで、残念でなりません》と追悼。

《これからも鳥山明唯一無二の作品世界が、末長く皆様に愛され続けることを切に願います》とつづられている。

鳥山さんは世界的な大ヒット作を世に送り出し、漫画界に数々の伝説を残してきた。

そもそも鳥山さんは、デザイン会社でデザイナーをしていたが、地道な作業の繰り返しに嫌気が差して、喫茶店で偶然手に取った『週刊少年マガジン』の新人賞の記事を見つけ、23歳にして初めて漫画を執筆。

ところが、締め切りに間に合わなかったため、賞金が一緒なのにページ数は半分でよかった『週刊少年ジャンプ』の新人賞に応募。入賞には及ばなかったものの、当時『週刊少年ジャンプ』の編集者だった鳥嶋和彦氏にセンスを認められ、作品を見せるようになっていった。

そんな鳥嶋氏をモデルにしたDr.マシリトも登場する『Dr.スランプ』に続き『ドラゴンボール』が大ヒット。

主人公・孫悟空らの必殺技として知られる「かめはめ波」の名前の由来は、2019年6月13日放送の『ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!』(NHK総合)で鳥山さんの妻が提案したものだと明かされている。

鳥山さんは書面で、「亀仙人の必殺技で『カメ』を使った言葉を考えていたところ、奥さんが『かめはめ波ってどう?』と。それを『面白い!』と思って採用した」と明かした。

『ドラゴンボール』は漫画版だけで2億6000万部を売り上げており、ウェブ『dmenuマネー』掲載の「予想印税収入ランキング」では予想印税収入は114億4000万円とされている。

さらに、アニメなどのグッズ収益なども含めると、鳥山さんの生涯収入は天文学的数字だったことは想像にかたくない。

鳥山さんの死去に、SNSではさまざまな意見が寄せられた。

《鳥山明さん亡くなられたの見てすごいびっくりした 伝説の漫画家が…》

《思い出がワッと頭を駆け巡る、 こんなに大切な思い出が沢山あったんだって。 本当に本当に悲しい。 鳥山明先生、ありがとうございました》

《鳥山明先生、私は小さい頃からドラゴンボールが大好きで、小さな悟空から大人に成長した悟空まで大好きです。先生が命を吹き込んだ素晴らしいキャラクター達、その言葉になんど助けられ、励まされたことかわかりません》

「『ドラゴンボール』の知られざる舞台裏を、鳥山さんにアドバイスを送り続けた鳥嶋さんが、2015年4月24日放送の『漫道コバヤシ ドラゴンボールZ 復活の「F」公開記念スペシャル』(フジテレビ系)で明かしていました。

ピッコロ大魔王、フリーザ、魔人ブウなど歴代の悪役の見た目は、連載当時の担当編集者がモデルになっているとのこと。悪役をつくるのが苦手な鳥山さんにとって、『イヤなやつ』の代表は歴代編集者だったのだそうです。

また、アニメ『ドラゴンボール』は、孫悟空が成長してからタイトルに『Z』がつきましたが、『タイトルを変更して新番組という体裁にすると宣伝費が豊富に使えるから』という理由からでした」(芸能ライター)

鳥山さんもストーリーなどに関わった完全新作アニメシリーズ『ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)』が、2024年秋からスタート。1作めからキャラクターデザインを務めてきた『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』も発売日未定ながら制作中だ。今後も鳥山さんの作品は世界中で愛されていくはずだ。

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