【注目された飛来機情報】RRエンジンの767珍客、機種変更で飛来した772LRなど

「令和5年度 小牧基地オープンベース」で賑わう会場を背景に地上走行中の、3月で退役予定のFDA機「JA04FJ」

多くの政府関係者向け特別機や、ロールスロイス(RR)製のエンジンを搭載したイースタン・エアラインズの飛来が話題になりました。那覇にやってきたアトラス航空やターキッシュ・エアラインズなど、直近の2024年3月1日〜7日の間に、日本の空港へ飛来し注目を集めた機体をピックアップして紹介します。

3月1日・関西国際空港

カタール航空 エアバスA350-900型機 「機体記号:A7-ALI」

8年ぶりに同社の関空線が再開しました。デイリー運航で成田線とは異なるA350-900を使用します。関空発着の中東路線は、エミレーツ航空のドバイ線、エティハド航空のアブダビ線に続いて3路線目になりました。

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© FlyTeam Y.Dさん関西国際空港 2024年3月1日撮影 A7-ALI エアバスA350-941 カタール航空

3月1日・羽田空港

全日本空輸(ANA) ボーイング787-8型機 「機体記号:JA801A」

2011年に世界で初めてデリバリーされた787ですが、この日の羽田/ソウル(金浦)線でANAとしての最終運航を迎えました。翌日未明に中国・厦門にフェリーされ、今後ANAが手がけるLCCブランド「AirJapan」仕様への改修作業が行われます。

© FlyTeam チャレンジャーさん羽田空港 2024年3月1日撮影 JA801A ボーイング787-8 ドリームライナー 全日空

3月2日・関西国際空港

チェコ空軍 エアバスA319-100CJ型機 「機体記号:2801」

2月28日に羽田空港へ飛来していたチェコ政府専用機が同日、関西国際空港へ移動しました。同国外務大臣の乗機で、両国相互交流促進に向けた東京での航空協定署名の後、大阪・関西万博会場視察のために大阪へ移動していました。

© FlyTeam otter__aviationさん関西国際空港 2024年3月2日撮影 2801 エアバスA319-115CJ チェコ空軍

3月3日・名古屋飛行場

航空自衛隊 ボーイング777-300ER型機 「機体記号:80-1112」など

航空自衛隊・小牧基地(愛知県)で開催された「令和5年度 小牧基地オープンベース」。2023年度最後の自衛隊による基地開放イベントで、岐阜基地(岐阜県)や美保基地(鳥取県)などからも多くの外来機が飛来しました。千歳基地(北海道)からの政府専用機や、入間基地(埼玉県)からは用途廃止(退役)が進むC-1輸送機なども参加しました。

© FlyTeam totsu19さん名古屋飛行場 2024年3月1日撮影 80-1112 ボーイング777-3SB/ER 航空自衛隊 © FlyTeam てくろくさん名古屋飛行場 2024年3月3日撮影 97-3603 ボーイング KC-767J (767-2FK/ER) 航空自衛隊 © FlyTeam Wings Flapさん名古屋飛行場 2024年3月3日撮影 18-1031 川崎 C-1 航空自衛隊

3月3日・羽田空港

イタリア空軍 ダッソー・ファルコン900型機 「機体記号:MM62245」

ベトナム・ハノイから飛来したイタリア政府機。イタリアの農業・食糧主権大臣がハノイと東京を訪れており、これら政府関係者向けに運航されています。同型機の日本飛来は、2023年4月の宮崎空港以来です。

© FlyTeam チャレンジャーさん羽田空港 2024年3月3日撮影 MM62245 ダッソー ファルコン 900EX イタリア空軍

3月3日・関西国際空港

サウディア ボーイング777-300ER型機 「機体記号:HZ-AK44」

2月13日に羽田空港へやってきていた同機が、この日関西国際空港に飛来しました。サウジアラビアの政府関係者向けに運航されたものとみられます。

© FlyTeam Lotusさん関西国際空港 2024年3月3日撮影 HZ-AK44 ボーイング777-368/ER サウディア

3月5日・那覇空港

ターキッシュ・エアラインズ エアバスA330-200型機 「機体記号:TC-JNC」

同社のレトロ塗装「KUSHIMOTO号(和歌山県串本町に由来)」が、同日午前中に沖縄の那覇空港に飛来しました。自衛隊関連のチャーター便とみられ、夕方にはアフリカのジブチまで飛行しています。

© FlyTeam OKAの飛行機好きさん那覇空港 2024年3月4日撮影 TC-JNC エアバスA330-203 ターキッシュ・エアラインズ

3月5日・嘉手納飛行場

オメガ・エア マクドネル・ダグラス DC-10-30CF型機 「機体記号:N264DE」

2月27日に沖縄県のアメリカ空軍・嘉手納基地へ飛来した「OMEGA TANKER」。引き続き、同軍向けに空中給油のサービスを提供しているとみられ、再び嘉手納へ飛来しています。

© FlyTeam hanatomo735さん嘉手納飛行場 2024年3月5日撮影 N264DE マクドネル・ダグラス DC-10-30CF オメガ・エア

3月5日・岩国空港

イースタン・エアラインズ ボーイング767-300ER型機 「機体記号:N706KW」

アメリカのチャーター会社で、1991年まで運航していたイースタン航空の商標を使用して運航しています。日本への飛来実績はアメリカ軍基地を中心にわずかにあるものの、貴重な珍客の登場でした。隣接するアメリカ海兵隊の岩国航空基地を訪れたとみられ、アメリカ・アンカレッジとの間を往復しました。同機は機齢33年で、長らくブリティッシュ・エアウェイズやカンタス航空で運用。ロールスロイス社製のエンジンを搭載しており、767としてもこのタイプは大変貴重な存在です。

© FlyTeam OMAさん岩国空港 2024年3月5日撮影 N706KW ボーイング767-336/ER イースタン・エアラインズ © FlyTeam JJ747✈さん岩国空港 2024年3月6日撮影 N706KW ボーイング767-336/ER イースタン・エアラインズ

3月6日・花巻空港

ベトナム航空 エアバスA321neo型機 「機体記号:VN-A620」

4年8か月ぶりに運航された、いわて花巻空港発着の国際チャーター便。日本発のアウトバウンド専用チャーター便として、2日に往路便(台北・桃園経由ダナン行き)、6日に復路便(ダナン発花巻行き直行便)を運航しました。6日朝に花巻空港へ到着した機体は、秋田空港までフェリーされ秋田発台北(桃園)経由ダナン行きとして運航しています。

© FlyTeam Cスマイルさん花巻空港 2024年3月6日撮影 VN-A620 エアバスA321-272N ベトナム航空

3月6日・那覇空港

アトラス航空 ボーイング767-300ER型機 「機体記号:N664GT」

数週間に渡り、セントレアへの旅客型ジャンボ飛来で話題となった同社ですが、今度は那覇空港に旅客型の767がやってきました。グアムにあるアンダーセン空軍基地から飛来し、同じ沖縄本島にあるアメリカ空軍・嘉手納基地へ向かいました。

© FlyTeam local_train64さん那覇空港 2024年3月6日撮影 N664GT ボーイング767-31B/ER アトラス航空

3月7日・羽田空港

ブルネイ政府 ボーイング787-8BBJ型機 「機体記号:V8-OAS」

ブルネイ皇太子夫妻の来日に合わせ、同国で政府専用機として運用されている787が飛来しました。首都バンダルスリブガワンのブルネイ国際空港から到着しています。

© FlyTeam チャレンジャーさん羽田空港 2024年3月7日撮影 V8-OAS ボーイング787-8 ドリームライナー ブルネイ政府

3月7日・関西国際空港

日本トランスオーシャン航空(JTA) ボーイング737-800型機 「機体記号:JA12RK」

3月6日から、沖縄の世界自然遺産普及啓発を目的とした「世界自然遺産」特別塗装機の運航が開始されました。県内の小中学生の図画コンクールで入賞したデザインを機体へラッピングしています。翌7日からは、琉球エアコミューター(RAC)のDHC8-400型機「機体記号:JA82RC」も特別塗装機となり、運航を開始しました。

© FlyTeam た~きゅんさん関西国際空港 2024年3月7日撮影 JA12RK ボーイング737-8Q3 日本トランスオーシャン航空

3月7日・羽田空港、鹿児島空港

全日本空輸(ANA) ボーイング767-300ER/F型機 「機体記号:JA601F」

3月4日に重整備を行なっていた中国・厦門から成田空港へ戻った「JA601F」ですが、機体左側後部にANAグループで国際輸送サービスを展開する「OCS」のロゴマークが追加されました。その後、7日には羽田へ飛来し鹿児島との間で運航された貨物チャーター便にも投入されました。

© FlyTeam A350XWB-HNDさん羽田空港 2024年3月7日撮影 JA601F ボーイング767-381F/ER 全日空 © FlyTeam 永介さん鹿児島空港 2024年3月7日撮影 JA601F ボーイング767-381F/ER 全日空

3月7日・成田空港

エルアル・イスラエル航空 ボーイング787-8型機 「機体記号:4X-ERB」

2023年11月から運休が続いていた成田/テルアビブ線が、同日から運航を再開しました。運休前と同様、787-8または787-9の投入が予定されています。

【関連記事:運休のエルアル・イスラエル航空、 30日テルアビブ発/31日成田発 追加運航

© FlyTeam 天王寺王子さん成田国際空港 2024年3月7日撮影 4X-ERB ボーイング787-8 ドリームライナー エルアル・イスラエル航空

3月7日・成田空港

カタール航空 ボーイング777-200LR型機 「機体記号:A7-BBA」

通常、エアバスA350-1000型機が投入されている同社の成田/ドーハ線ですが、機種変更で777-200LRにて運航されました。7機しか在籍していない機体で、大変珍しい飛来になりました。

© FlyTeam mamuuushiさん成田国際空港 2024年3月7日撮影 A7-BBA ボーイング777-2DZ/LR カタール航空

以上、注目の飛来機をピックアップして紹介しました。来週は、どんな特別塗装機やレアな機体が飛来するのか楽しみですね。近くの空港へ、飛行機を眺めに出かけませんか?

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