南部鉄器3Dデザイン スズメ題材 最優秀 「新しいカタチ」入賞作品展示 20日まで・水沢【奥州】

南部鉄器3Dデザイン展で最優秀賞に選ばれた「ふくら雀」

 奥州市地域おこし協力隊として水沢地域で鋳物産業の後継者育成などに取り組む小泉成文さん(34)が企画した「奥州3Dデザイン展~新しい南部鉄器のカタチ」は、同市水沢羽田町の市伝統産業会館で開かれている。南部鉄器の3次元デザインを全国から公募し、最優秀賞など4点を展示している。20日まで。

 小泉さんは2023年7月に着任し、南部鉄器の活性化と後継者育成などに活躍し、3D技術を生かしたデザイン開発にも取り組んでいる。鋳物業界の大きな課題となっている後継者不足の解決に向け、昨年12月1日から2カ月間、初めて3Dデザインを公募し、デザイナーや美術大学の学生ら148件の応募が寄せられた。

 小泉さんと南部鉄器の職人ら6人による審査の結果、最優秀賞、学生賞、新人賞、鉄賞の各作品を選び、同展では3Dプリンターで作ったものを展示している。

 最優秀賞の「ふくら雀(すずめ)」(甲斐麻由実さん製作)は、寒い時期に羽毛を逆立てたスズメをモチーフにしたデザインで、伝統的な南部鉄瓶のあられ模様が施された。大きさは取っ手を立てた状態で縦13・5センチ、横12・7センチと小ぶり。

 小泉さんは「コンパクトで使いやすさが評価された。ふくら雀は今後、商品化ができるかどうか検討を進めたい」と話している。

 同展の開場時間は午前9時~午後5時。見学には入場料(一般200円)が必要。

© 岩手日日新聞社