<第47回日本アカデミー賞>最優秀アニメーション作品賞は『君たちはどう生きるか』「終わらない作品かと思った」

『君たちはどう生きるか』より(C)2023 Studio Ghibli

「第47回日本アカデミー賞授賞式」が8日、都内で開催され、宮崎駿監督最新作『君たちはどう生きるか』が最優秀アニメーション作品賞を受賞した。スタジオジブリの野中晋輔氏は、宮崎駿監督が「終わらない作品じゃないかと思っていた」ことを明かした。

君たちはどう生きるか』は、2013年公開の『風立ちぬ』以来約10年ぶりとなる宮崎駿が監督・脚本を務めたスタジオジブリ作品。公開前に一切のプロモーションを行わないという異例のスタイルをとったが、ふたを開ければ、世界興収で100億円を突破と、作品の力を見せつけた。

授賞式に参加したスタジオジブリの野中氏は「『君たちはどう生きるか』は宮崎駿監督の前作『風立ちぬ』からちょうど10年後に完成しました」と語ると「1度は引退を決意した宮崎監督が、この作品を作りたいという気持ちが徐々に高まってきまして、結局引退を撤回してまで作るということになったんです」と経緯を説明する。

そんな思いだったからこそ、普段は2~3年ぐらいのスパンで作品を作るところ「今回は制作時期や完成時期を決めないで作るというやり方をしました。なるべく宮崎監督に自由に作ってもらいたいと思っていました」と、これまでとは異例となる制作過程で完成した作品だったという。

さらに野中氏は「60年間手書きのアニメーションをやってきたのですが、それを徹底的に追求した作品になったと思います」と語ると「宮崎監督自身、終わらない作品じゃないかと思ったと話していました。結局は7年かけて完成しました」とこだわりぬいた末に出来上がった映画だったことを強調。そして「制作を支えてくださったすべての人々、この映画をご覧くださったすべての皆様に感謝申し上げます」とスピーチを締めた。

また本作に声優としている菅田将暉も壇上に上がるとと「キャストを代表してありがとうございます」と感謝を述べていた。

■優秀アニメーション作品賞(★は最優秀賞受賞者)

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

★『君たちはどう生きるか

『窓ぎわのトットちゃん』

『名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)』

『BLUE GIANT』

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