宿泊プランの準備着々 北陸の旅館、旅行会社

切符売り場に並ぶ利用客。北陸新幹線敦賀開業に向け、旅館などは宿泊プラン作りを急いでいる=金沢駅

  ●開業日ちなみ3160円引き

 16日の北陸新幹線金沢-敦賀開業まで9日で1週間前となり、北陸の旅館やホテルで、開業後の宿泊プランの準備が進んでいる。開業日にちなみ3160円引きの特典を用意したり、北陸応援割の補助を満額受け取れるプランを設けたりして、各社は開業効果の取り込みに知恵を絞っている。

 加賀市片山津温泉の「季(とき)がさね」は3月16日の新幹線開業を記念し、3160円の割引クーポンを50組分用意した。公式ホームページ限定で、専用コードを入力することで宿泊プランに適用される。

 北陸新幹線石川県内全線開業で、多くの観光客が加賀温泉郷に訪れると見込み、割引クーポンで開業ムードを盛り上げることにした。既に40組超の利用があったといい、担当者は「50組分が売り切れたら、追加クーポンの発行も検討したい」と話した。

  ●「4万円」で応援割フル活用

 16日から北陸三県と新潟県で始まる「北陸応援割」は1人1泊2万円を上限に、宿泊代の半額が補助される。そのため、宿泊客は2万円引きとなる4万円ちょうどの宿泊プランが最も割引の恩恵を受けられる。この点に着目したのは加賀市山中温泉の「吉祥やまなか」「かがり吉祥亭」だ。

 両旅館は1泊2食付きの4万円プランを発売した。16日から宿泊でき、夕食にノドグロや能登牛、ズワイガニを盛り込み、千円以上の館内利用券などを付けた。12日以降の予約なら応援割が適用される予定だ。

 ANAクラウンプラザホテル富山(富山市)は16日から、富山の食を満喫できる宿泊プランの販売を検討している。

 旅行会社も16日に向けてプランを練る。ほっこく観光(金沢市)は応援割に合わせ、14の宿泊施設で特典付きプランを同日から売り出す。北陸新幹線延伸で注目される福井県の越前海岸沿いをバスで巡るツアーも予定している。

 各社は北陸新幹線の石川県内全線開業効果を追い風に旅行客を呼び込むことで、能登の早期復興にもつなげたい考えだ。

© 株式会社北國新聞社