北陸応援割、売り切れ続出 富山など3県で予約開始

観光客を出迎える新田知事=富山駅

 能登半島地震を受けた観光復興支援「北陸応援割」の予約受け付けは8日、富山、福井、新潟の3県で一斉に始まった。16日から4月26日の宿泊分が対象で、1人当たり1泊2万円を上限に割引を受けられる。16日は北陸新幹線金沢―敦賀の開業日で、地震の影響で冷え込んだ観光需要の回復が期待される。県内のホテル、旅館では初日から予約が相次ぎ、割り当てられた予算枠に達した施設が続出した。

 北陸応援割は、被災した北陸三県と新潟への観光喚起策として実施する。宿泊を伴う旅行商品を対象に、代金から最大半額が割り引かれる。

 割引額は1人当たり1泊2万円、同一県内に2泊以上するツアーは3万円、2県以上で宿泊するツアーは3万5千円が上限となる。ビジネス利用は対象外で、外国人旅行者も利用できる。予算を使い切った時点で終了となる。石川県は12日から予約を受け付ける。

 富山県によると、県内では8日時点で231施設が対象となる。県内の宿泊施設では、利用希望者からの問い合わせが相次ぎ、スタッフが対応に追われた。

 北陸応援割に先駆け、県は2月20日から観光関連産業を支援する独自の「とやま応援クーポン」事業を開始。宿泊施設を1人1万円以上利用すると飲食店や土産店で使えるクーポン3千円分が配布される。応援割と併用可能で、3月16日以降は1人5千円以上で千円分となる。

  ●知事が来訪促す

 北陸応援割の予約開始に合わせて8日、JR富山駅で新田八朗知事が観光客らを出迎え、感謝を伝えた。北陸新幹線の改札口で声を掛けて回り、富山への来訪を促すよう求めるメッセージカードを手渡した。

 出迎えは能登半島地震の影響を受けた北陸地方を盛り上げる「北陸おうえんプロジェクト実行委員会」が実施した。神奈川県鎌倉市から家族で観光に訪れた自営業髙貝美和さん(52)は「震災があった北陸を応援しに行こうと旅先に選んだ。熱を感じ、また来たいと思った」と語った。

 新田知事は「富山に足を運び、食べて飲んでお土産を買っていただくことが私たちの元気につながり、経済も回る」と期待を込めた。

© 株式会社北國新聞社