名古屋ウィメンズマラソン、パリ五輪代表の最後の切符の行方は

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前田穂南の日本記録更新が条件

2024年パリ五輪女子マラソンの代表選考最終レースとなる名古屋ウィメンズマラソンが3月10日に行われる。昨年のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で代表3枠のうち、2枠が決定済み。名古屋の結果で最後の1枠が決まる。

現在、代表に内定しているのはMGC1位の鈴木優花(第一生命グループ)と2位の一山麻緒(資生堂)の2人。3枠目は、MGCファイナルチャレンジ(大阪国際女子マラソン、名古屋ウィメンズマラソン)で日本陸連が定めた設定記録(2時間21分41秒)を破った選手の中で最速の選手が選ばれる。

設定記録を破る選手がいない場合は、MGC3位の細田あい(エディオン)が3枠目に決まることになっていたが、1月の大阪国際女子マラソンで前田穂南(天満屋)が日本記録を更新する2時間18分59秒で日本選手トップになった。

そのため、現在3枠目に最も近いのは前田ということになる。名古屋ウィメンズマラソンに出場する選手たちが目指すのは、「2時間18分59秒」になる。

地元出身の鈴木亜由子、MGC3位の細田あいが日本記録突破を狙う

招待選手の中で、2時間20分を切ったことがある選手はいない。だが、ポテンシャルが高い選手が多い上に、目標は明確。いきなり自己記録を大幅に更新する選手がいてもおかしくない。

注目度が高いのは、32歳になった地元愛知出身の鈴木亜由子(日本郵政グループ)だ。

東京五輪では女子マラソン代表として出場し、19位。2大会連続のマラソン代表入りを狙った昨年のMGCは12位だった。

自己ベストは2時間21分52秒で、超えなければならない日本記録とは3分近い差がある。だが、2016年リオデジャネイロ五輪では5000メートルに出場するなど、スピードがあるだけに最初から飛ばしていくだろう。

加世田梨花、安藤友香も2時間21分台の自己ベスト

名城大卒で社会人3年目の加世田梨花(ダイハツ)も面白い。2022年のベルリンマラソンで自己ベストとなる2時間21分55秒をマーク。2023年の世界選手権代表にも選ばれ19位だった。MGCは4位と日本トップクラスの実績を持つ。

日本選手の中でトップのタイムを持つのが安藤友香(ワコール)だ。自己ベストは初マラソンだった2017年の名古屋ウィメンズマラソンで出した2時間21分36秒。東京五輪では1万メートルに出場した実力者だ。

持ちタイムからすれば、この3人に日本記録突破を狙う力があるだろう。

残念だったのは、MGC3位だった細田が左脚の故障のため、名古屋ウィメンズを欠場したこと。2時間21分42秒の自己ベストを持っていただけに、先述の3人と五輪代表入りを争うはずだった。

レースは3月10日9時10分スタート。バンテリンドームナゴヤ発着のコースで行われる。



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