試運転中の「特急やくも」に抱きつく、連結部分に乗ってポーズ…物議 現場を目撃、撮影した鉄道ファン怒り「撮り鉄と名乗ってほしくない」

停車中の特急車両に抱きついたり、連結部分に乗ってポーズを取る。信じられない場面を撮影した写真がSNSに投稿され物議をかもしています。
BSS山陰放送は、現場を目撃し、この写真を撮影した男性に話を聞くことができました。「撮り鉄として名乗ってほしくない」と、男性は怒りをあらわにしています。

JR伯備線・山陰線などを走る「新型やくも」の運行開始に伴い、まもなく運行を終える現在の「やくも」や「リバイバルやくも」を写真に収めようと、連日多くの鉄道ファンが山陰を訪れています。

こうした中、信じられない出来事が起きました。

SNSに投稿された2枚の写真。
1枚はホームに停車中の特急やくもの車両に足をかけ、試運転という文字を指さす男性が写っています。
反対の手にはカメラを持っていることが分かります。

もう1枚は、男性が車両の連結部分に乗り、ポーズを決めています。

3月5日の午後1時ごろ、鳥取県江府町にある江尾駅構内で撮影された写真です。

特急やくもが走る伯備線沿線では今、こうした迷惑行為が後を断ちません。

鳥取県日野町では8日、JRをはじめ沿線にある自治体の関係者や住民、警察が集まり、意見交換会が開かれました。

沿線にある複数の木の伐採、路上駐車やポイ捨て、標識の破壊、そして線路内への侵入などの被害がこれまで確認されています。

こうした事態を受け、見回りの強化や注意看板の設置など対策が講じられてきましたが、江府町で、またしても、今回の問題行動が確認された形です。

SNS投稿された写真を撮影したのは、現場に居合わせた鳥取県内に住む鉄道ファンの男性です。BSS山陰放送はこの男性に話を聞くことができました。

現場を目撃し撮影した男性
「注意はしようと思ったんですけど、怖かったのもあってできなかったんですけど、非常に腹立たしくて…。
自分も撮り鉄としてやくもを撮影したい気持ちは理解できるのですが、さすがに常識がないなと思います」

男性によると、試運転中の特急やくもが江尾駅で停車していた際に、3~4人のグループが車両に足を掛け車両に抱きついてみたり、車両に飛び移り連結部分に乗ってみたりしていたといいます。

また、その様子をホームにいる人がスマホで撮影し、交互に10分ほど撮影していたということです。

男性が撮影した写真を、その後、男性の鉄道ファン仲間がSNS投稿。投稿は拡散され、大きな注目を集めました。

男性は写真を撮影した際、その様子をJR職員にも知らせたということです。

JR西日本中国統括本部 槙拓男 課長
「あの写真を見まして、非常に危険だと思いましたし、非常に悪質な写真だと感じました。鉄道の安全を守りたいということ、こういったことを絶対しないように鉄道愛好家に発信していきたいと思います」

JRは今回の件について、すでに警察に相談しているということです。

グループの行動に怒りを覚えたという男性。こういう非常識な人たちは一部で、多くの人はマナーを守っていると訴えます。

現場を目撃し撮影した男性
「車両によじ登るとか普通考えて絶対にやってはいけないことですし、駅だったら黄色い線の外側に出ないとか、沿線だったら沿線の住民の方に配慮しながら撮影するとか、そういうことをしてほしいです」
「撮り鉄として名乗ってほしくないですし、撮影にもそういう人は来てほしくないなと思います」

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