移籍6人にルーキー5人。インディカー開幕戦は新顔多数の27台がエントリー

 3月8~10日にかけて、2024年NTTインディカー・シリーズの開幕戦『ファイアストン・グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ』が、アメリカ・フロリダ州のセント・ピーターズバーグ市街地にて開催される。全17戦の火蓋を切って落とす一戦に、全27台がエントリーした。

 シーズン中盤には新型ハイブリッドシステムを搭載したパワーユニットの導入が予定されている2024年のインディカー。セント・ピーターズバーグの市街地を舞台としたストリートコースを100周(約290km)で争われる第1戦には、移籍ドライバーとルーキーを多く含む、新シーズンを感じさせるラインアップとなった。

 今年から、シリーズ最多の5台体制を構築したチップ・ガナッシ・レーシングは、2023年シーズンのチャンピオンであるアレックス・パロウや、2位のスコット・ディクソンが引き続き在籍。チャンピオンドライバーふたりのチームメイトとなるのは、チーム2年目のマーカス・アームストロングに、2022年インディライツ王者のリヌス・ルンドクヴィストと2022年より同チームの育成ドライバーであるキッフィン・シンプソンというふたりのルーキーを合わせた三人だ。

ルーキー・オブ・ザ・イヤー筆頭候補となるリヌス・ルンドクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)

 もう一つの強豪チームであるチーム・ペンスキーは、唯一ドライバー体制を維持したチームだ。迎えた2024年は、昨シーズンのオーバルレースで圧倒的な成績を残したジョセフ・ニューガーデン、昨シーズンランキング3位のスコット・マクラフラン、同シリーズ17年目の元王者ウィル・パワーの三人が引き続きタイトル奪還をかけて戦う。

 次に、1台縮小の3台体制となったのはアンドレッティ・グローバル。昨シーズンから続投となるコルトン・ハータとカイル・カークウッド、そして2022年インディアナポリス500マイルレース(インディ500)勝者で元F1ドライバーのマーカス・エリクソンがチームに加わった。

 同じく3台を送り込むアロウ・マクラーレンは、パト・オワードとアレクサンダー・ロッシが継続して参戦。そのチームメイトには、新たにデイビッド・マルーカスが加わっているが、マウンテンバイクの事故で左手首を負傷してしまったため、開幕戦には代役としてカラム・アイロットがエントリーする。

アロウ・マクラーレンから2024年シーズンに挑むデイビッド・マルーカス(開幕戦はケガのためカラム・アイロットが代役)

 インディ500では佐藤琢磨も参戦を行うレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからは、チームオーナーのボビー・レイホールの息子でもあるグラハム・レイホールと、昨年初優勝をあげたクリスチャン・ルンガーが引き続き出走。3台目のシートには、2018年と2021年にスポット参戦を経験しているピエトロ・フィッティパルディがおさまることになった。

 そして、初優勝が待たれる元F1ドライバーのロマン・グロージャンを獲得したフンコス・ホーリンガー・レーシングは、チーム2年目のアグスティン・カナピノとともに2台で参戦。A.J.フォイト・エンタープライゼスは、こちらもチーム2年目のサンティノ・フェルッチと、ホンダからシボレーへ鞍替えとなるスティング・レイ・ロブを迎え入れている。

シリーズ参戦4年目を迎えるロマン・グロージャン(フンコス・ホーリンガー・レーシング)

 2023年インディNXTチャンピオンのクリスチャン・ラスムッセンは、エド・カーペンター・レーシングよりデビューを果たし、ロード/ストリートとインディ500に出走。シリーズ5年目となるリナス・ヴィーケイとともに勝利を目指す。

 残るメイヤー・シャンク・レーシングとデイル・コイン・レーシングは、ともにラインアップを総入れ替えして心機一転。

 メイヤー・シャンク・レーシングにはマクラーレンからフェリックス・ローゼンクヴィストが加入し、同チームのスポーツカードライバーであったトム・ブロンクビストをチームメイトに迎え入れた。

メイヤー・シャンク・レーシングでフル参戦を果たすトム・ブロンクビスト

 デイル・コイン・レーシングは、昨シーズン後半にシートを失う経験をしたジャック・ハーベイが加入し、もう一台はスポーツカーカテゴリーにてブロンクビストのチームメイトであったコリン・ブラウンがドライブする。

 台数増減に新顔加入と、多くの体制変更を経て開幕を迎える2024年シーズン。移籍、ルーキー、復帰のドライバー計12名を含む27台が争う第1戦セント・ピーターズバーグは、いよいよ今週末3月9~10日に開幕する。シーズン序盤の行方を占う第1戦のエントリーリストは以下の通りだ。

■2024年NTTインディカー・シリーズ第1戦セント・ピーターズバーグ エントリーリスト

No. DRIVER TEAM ENGINE

2 ジョセフ・ニューガーデン チーム・ペンスキー シボレー

3 スコット・マクラフラン チーム・ペンスキー シボレー

4 キッフィン・シンプソン チップ・ガナッシ・レーシング ホンダ

5 パト・オワード アロウ・マクラーレン シボレー

6 カラム・アイロット アロウ・マクラーレン シボレー

7 アレクサンダー・ロッシ アロウ・マクラーレン シボレー

8 リヌス・ルンドクヴィスト チップ・ガナッシ・レーシング ホンダ

9 スコット・ディクソン チップ・ガナッシ・レーシング ホンダ

10 アレックス・パロウ チップ・ガナッシ・レーシング ホンダ

11 マーカス・アームストロング チップ・ガナッシ・レーシング ホンダ

12 ウィル・パワー チーム・ペンスキー シボレー

14 サンティーノ・フェルッチ A.J.フォイト・エンタープライゼス シボレー

15 グラハム・レイホール レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング ホンダ

18 ジャック・ハーベイ デイル・コイン・レーシング ホンダ

20 クリスチャン・ラスムッセン エド・カーペンター・レーシング シボレー

21 リナス・ヴィーケイ エド・カーペンター・レーシング シボレー

26 コルトン・ハータ アンドレッティ・グローバル・W/カーブ・アガジャニアン ホンダ

27 カイル・カークウッド アンドレッティ・グローバル ホンダ

28 マーカス・エリクソン アンドレッティ・グローバル ホンダ

30 ピエトロ・フィッティパルディ レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング ホンダ

41 スティング・レイ・ロブ A.J.フォイト・エンタープライゼス シボレー

45 クリスチャン・ルンガー レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング ホンダ

51 コリン・ブラウン デイル・コイン・レーシング ホンダ

60 フェリックス・ローゼンクヴィスト メイヤー・シャンク・レーシング ホンダ

66 トム・ブロンクビスト メイヤー・シャンク・レーシング ホンダ

77 ロマン・グロージャン フンコス・ホーリンガー・レーシング シボレー

78 アグスティン・カナピノ フンコス・ホーリンガー・レーシング シボレー

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