校長先生に卒業証書 3年生「愛情に感謝」 茨城・かすみがうら 下稲吉中でサプライズ式典

「卒業証書」を手に拍手で見送られる福島真校長(中央)=かすみがうら市下稲吉

茨城県かすみがうら市下稲吉の市立下稲吉中の3年生たちが7日、本年度で定年を迎える福島真校長(60)にサプライズで「卒業式」を開き、「卒業証書」を手渡した。福島校長にとって同校は、教諭時代を含め通算10年間を過ごした思い出深い場所。「まさかこんな式を開いてくれるとは。最後は下稲吉中で卒業できて良かった」と晴れやかな笑顔で感謝していた。

式典は3年生と教員が準備し、優秀生徒表彰と謝恩会に続いて開いた。謝恩会終了直後、男子生徒が「ちょっと待ったー」と声を上げ、司会の生徒が「もう一つ企画があります。いいですか?」と会場に呼びかけた。

登壇した福島校長に、前生徒会長の永井優月さん(15)が「その限りない熱意と愛情に感謝を込めて贈ります」と卒業証書を読み上げた。福島校長は証書を受け取り、生徒が描いた似顔絵と花束を手に、はにかみながら生徒たちに向き直り、一礼した。

同市出島地区出身の福島校長は、教員生活の半分以上を同市内の小中学校で送った。昔は「荒れる学校」での対応に苦労もしたという。式典後「子どもたちや保護者に育ててもらった」と36年間の教員生活を振り返った。

永井さんは「みんなの支えでうまくいって良かった。校長先生は毎朝あいさつしてくれる優しい人。部活動の大会も駆け付けて応援してくれた」と思い出を語った。

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