池のふちからスーパーバーディ 松山英樹が“2連勝”へ首位ターン

首位に浮上した松山英樹。混戦を勝ち抜けるか(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待 2日目(8日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7466yd(パー72)

スタートホールの1番、松山英樹は1mのパーパットに十分な時間をかけて沈めた。2番はティショットをバンカーに入れ、2m強をやはりねじ込んでセーブ。快調にスコアを伸ばした前日とは違う、我慢の展開を暗示するような立ち上がりだった。

3番の第2打。靴底は水の中だった(撮影/田辺安啓(JJ))

スーパーショットは3番。左に曲げた 1Wショットが池のふちで止まり、2打目は靴底が水の中、ボールはひざの高さのラフあった。左に引っかけて池に落ちる危険性を伴うライで、松山は9Iを握り、右方向に打ち出した。左回転のかかった球は“コースなり”に花道から転がり、ピンをかすめて2m奥へ。「ああいうところに結構行っているんで、慣れてます」。ニヤリとする一打で最初のバーディを奪うと、4番(パー5)は3mを沈めて2連続にした。

スタート時の5アンダー2位から、この時点で7アンダーのトップに浮上しても、過去9回の出場経験から「そう簡単に10アンダーとかに行くコースではない」と知っている。5番ではグリーン奥の深いラフから、後半12番(パー5)では花道からのアプローチミスが響き、2つのボギーで序盤の貯金を吐きだした。パー3を除く14ホールでフェアウェイキープに成功したのは6回だけ。初日が10回だったことを思えば、苦しさが読み取れる。

ドライバーショットに苦しんだ(撮影/田辺安啓(JJ))

3週前の「ジェネシス招待」に続くシグニチャーイベント(昇格大会)2連勝の可能性を抱かせるのは、終盤のもうひと踏ん張りがあったからこそ。全ホールで最も易しい16番(パー5)をきっちり2オン2パットのバーディで乗り切ると、17番(パー3)は2m弱残った返しのパーパットを丁寧に沈めた。

迎えた最終18番。フェアウェイから2打目の直前、今週の悩みのタネである腰に痛みが走った。「17番まではだいぶ良かったけれど、結構な激痛が来た」。147yd先のピンに目をやり、番手をPWから9Iに上げたコントロールショットは3.5mに。喝采のバーディフィニッシュによる「70」で通算7アンダーに戻し、6人が並ぶリーダーの一人になった。

出場試合2連勝が狙えるポジション(撮影/田辺安啓(JJ))

1Wショットの乱れを「(腰を)かばって打っていたツケが来たなという感じはあります。ちょっとしたことの差だと思う」と冷静に分析した。「修正できるか分からないが、あしたに向けて切り替えてやれれば」。ホールアウト後は視線鋭くパット練習。母国で優勝した2021年「ZOZOチャンピオンシップ」以来の首位ターンだ。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)

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