受刑者がVRで職業体験 社会復帰を目指して

とちぎテレビ

受刑者たちの社会復帰を後押ししようと、さくら市の刑務所で8日、日本で初めての試みとなるVRを活用した職業体験が行われました。

VR=仮想現実を活用した職業体験に参加したのは、さくら市にある刑務所「喜連川社会復帰促進センター」の受刑者7人です。

法務省によりますと、出所したあと再び罪を犯して刑務所に収容された人の約7割が無職のため、再犯の防止に向けて就労支援の重要性が指摘されています。

この取り組みは、日本財団が進めている出所した人たちを企業が雇用し、「職の親」として社会への復帰を支援する「職親プロジェクト」の一環で行われました。

日本で初めての試みとなった刑務所でのVRを活用した職業体験、受刑者たちは専用のゴーグルをかけショベルカーの操縦を体験します。

日本財団によりますと、これまで受刑者に対する職業体験を行う際は、企業が刑務所などを訪問する必要があったほか、安全管理の問題から特殊な機械を使う体験などは難しかったということです。そこでこのVRを活用することで、準備の手間を削減し、特殊な機械を使う職業も体験できるようになります。

体験した受刑者からは、「難しかったが、もっと練習してうまくなりたい」「いろいろな業種を体験してみたい」といった声が聞かれました。このVRを開発した企業は、2024年度からの本格運用に向けて今後体験できる業種を増やしていく予定です。

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