民間ロケット打ち上げ延期 13日以降に、海域に船舶残留

小型ロケット「カイロス」1号機の打ち上げを見るため集まった大勢の人たち=9日午前10時23分、和歌山県串本町(共同通信社ヘリから)

 宇宙事業会社スペースワン(東京)は9日、和歌山県串本町の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から同日午前に予定していた小型ロケット「カイロス」1号機の打ち上げを延期すると発表した。安全確保のため事前に設定していた警戒海域に船舶が残っていたことが原因で、ロケットに異常はないとしている。日程は13日以降に再設定するとした。

 スペースワンは日本初となる民間発射場からの打ち上げを目指している。1号機は政府の小型衛星も搭載、軌道投入できればこちらも民間単独では国内初となる。

 同社の阿部耕三執行役員は9日午後の記者会見で、船舶に警戒海域外へ出るよう呼びかけたものの、退避が間に合わなかったとの認識を示した。船舶の詳細は「追って確認したい」と述べた。

 再発防止に向けて、警戒海域での退避の呼びかけを今回より早めるなど周知活動を強化する。多くの見物客が打ち上げを待ち望む中での延期となったことには「次回はご期待に添えるよう全力を尽くしたい」とした。

 打ち上げの2日前までに日程を正式公表する。

発射場「スペースポート紀伊」で打ち上げを控えた小型ロケット「カイロス」1号機=9日午前10時45分、和歌山県串本町(共同通信社ヘリから)
和歌山県那智勝浦町にあるロケットのモニュメントの前で記念撮影する人たち=9日午前7時44分

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