女子トイレに“誤って”10秒入りクビになった男性従業員、裁判所が「わざと」と判断した理由は…―中国

中国・広東省中山市で女子トイレに“誤って”10秒間入った男性従業員が解雇される騒動があった。

中国・広東省中山市で女子トイレに“誤って”10秒間入った男性従業員が解雇される騒動があった。

中国メディアの星視頻によると、現地の玩具会社で働いていた張(ジャン)さんは、先日、工場内の女子トイレに入った後、約10秒後に出てきて男子トイレに入り直した。当時、女子トイレの中には女性従業員がいたという。

同社は張さんに対して、入社時に署名した工場規則第4条に違反したとして解雇を通告した。同条文では「工場内で賭博やけんか、言いがかりなどの問題を起こした場合は公安部門に届け出た上で解雇する」とされている。

一方、張さんは「その日はお腹を下していてうっかり女子トイレに入ってしまったが10秒もいなかった。気付いた後にすぐに引き返して男子トイレに入った」と説明。会社側の労働契約の解除は不当だとし、労働仲裁を申し立て、会社側に4万8600元(約100万円)の賠償金の支払いを求めた。

仲裁機関がこの申し立てを却下すると、張さんは裁判所に訴えた。しかし裁判所も、張さんが9年近く同社に在籍していることから「たとえ(腹を下していたという)生理的原因があったとしてもトイレを間違える可能性は低い。うっかり間違えたという理由は常識的ではない」と判断。「その行為には悪意があり、女性従業員のプライバシーを侵害するもので公序良俗に反する」として解雇は不当ではないとした。

中国のネットユーザーからは「会社はよくやった」「入社9日ならともかく、9年もいて間違えるはずはない」「間違って入って10秒っていうのはねえ…」「9年、10秒…」「間違って入ることはあっても、普通なら3秒で出ると思う」「普通の人は気付いて出るまで10秒もかからない。故意に違いない」「10秒というのはかなりの確率で故意。クビは妥当だろう」といった声が上がった。

一方で、「この前、女子トイレの行列解消のため男子トイレを(女性に)開放したケースがあったが、逆はダメなんだな」「おばさんが男子トイレに入ってくるのは良いのか?」「これは明らかに会社側が理由を付けて解雇したんじゃないか」「私はスマホいじりながら間違えて男子トイレの(入口の)ドアを開けちゃったことがあるけど」「罪に対して罰が重すぎる。こんな会社は長く続かないだろう」「もしわざとなら(とどまるのは)10秒どころじゃないと思うが」といった意見も出るなど、賛否が割れている。(翻訳・編集/北田)

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